研究課題/領域番号 |
21K18096
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
志田 崇之 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (00625733)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 痒み / 掻破 / 強度 |
研究実績の概要 |
令和3年度は「掻破強度の測定」をテーマに掲げ、①小型装着型掻破強度計測装置を用いてデータの普遍性、妥当性を検証し、②性別、年齢などの属性、掻破する部位による特徴を分析した。本研究の初年度として、チラシとポスターでボランティアを募り、予定の健常成人ボランティア50名(男性25名、女性25名)の対象者数を確保することができた。右手指先に独自に考案した小型装着型掻破強度計測装置を装着してヒスタミン液の滴下による一定強度の掻痒を起こした後、普段行っているような掻破動作をしてもらった。掻破強度計から得られた信号はインターフェイスを介して連結した計測機器(PCD-400A)でひずみ度として測定され、データはパソコン内に自動的に取り込んだ。あらかじめ規定の荷重でひずみ値を計測しておき、掻破動作で得られたひずみ度を荷重値に換算した(荷重校正)。今後は、得られた波形から掻破行動を担う主動作指の特定と拇指~小指それぞれの動作負担の割合、さらに掻痒感の程度による荷重値の変化や掻破行動全体のひずみ度波形の積分値(仕事量)を分析し、個々人および性別の違い、性別や年齢による動作の特徴、同一対象者における掻破する部位別(頭部、上肢、体幹、下肢など)での動作の特性を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた対象者数(健常成人ボランティア50名)を募り、小型装着型掻破強度計測装置による掻破動作の計測を無事に終了することができた。現在行っている波形の分析(掻破行動を担う主動作指の特定、各指それぞれの動作負担の割合、荷重値の変化、掻破行為全体のひずみ度波形の積分値)には一定の期間を要する見込みであるため、次年度の達成目標とした。
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今後の研究の推進方策 |
得られた波形の分析(掻破行動を担う主動作指の特定、各指それぞれの動作負担の割合、荷重値の変化、掻破行為全体のひずみ度波形の積分値)とその信頼性の検証を行う。さらに個々人間の差、性別や年齢による動作の特徴、同一対象者における掻破する部位別(頭部、上肢、体幹、下肢など)での違いを検討する。また、令和4年度は3次元動作解析装置による分析も予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、購入物品の納期延長、集団での研究活動の制限がかかったことが主な原因である。しかし、対象者数(健常成人ボランティア50名)の小型装着型掻破強度計測装置による掻破動作の計測を終了することができ、ほぼ予定額通りに使用することができた。残額は装置のコードやひずみゲージなどの消耗品の購入に充てる予定である。
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