研究課題/領域番号 |
21K18110
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研究機関 | 城西国際大学 |
研究代表者 |
大西 忠輔 城西国際大学, 福祉総合学部, 教授 (00720088)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | インソール / 変形性膝関節症 / 外側ウェッジインソール |
研究実績の概要 |
日本の変形性膝関節症(Knee osteoarthritis: 以下,膝OA)の有病率は60歳以上で54.6%であることが報告されている.要介護度別にみた介護が必要となった主な原因において,要支援者では関節疾患が一位であり,予防の方策を提案することが急務である.膝OAは多くの研究が行われており,歩行時の膝関節に対する機械的負荷が重要であるとされる. これに対して,整形外科分野における装具療法においては,歩行中の膝の負荷を低減することを目的に外側楔式足底装具を使用することにより,内側型膝OA患者の疾患の進行の予防や治療するための選択肢として提案されるケースが多く内側型膝OAに対する外側ウェッジの効果については,バイオメカニクスの観点から多くの報告がされている.外側ウェッジは,足圧中心点を外側へ移動させ,前額面における膝関節に対する床反力のモーメントアームを減少させることにより,膝内側にかかる圧を減少させると報告されている.しかし,一方で,外側ウェッジは効果を認めないとする否定的な研究報告も散見されており,ゴールドスタンダードといえる外側ウェッジは開発されていない.これは,外側ウェッジによる膝関節内転モーメントを軽減させる効果が一様ではない要因として,各研究における母集団の足部アライメントに個体差が大きいことが関係するとの報告があるため,足部アライメントを評価した上で被験足を抽出する必要がある.以上より,本研究の目的は,①足部の解剖学的および運動学的特性を定量的に評価したうえで,②その特性に合わせた膝関節に対する床反力のモーメントアームを減少させることができる外側ウェッジを開発することである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
理由 当初の計画では、理学療法学的視点から健常者の足部および膝関節の変形を定量的に計測することで,インソール開発に必要な足部データおよび下肢データを集める予定であった. しかし,新型コロナウイルス感染症の影響で,実施できなかったため.
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は,理学療法学的視点から健常者の足部および膝関節の変形を定量的に計測し,得られたデータを元に3Dプリンターによる外側ウェッジインソールの試作および開発を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度は足部データを取るためのスキャナーや3Dデータ処理を行うソフトおよびパソコンを購入する予定である。
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