研究課題/領域番号 |
21K18134
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山田 政寛 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (10466831)
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研究分担者 |
合田 美子 熊本大学, 教授システム学研究センター, 准教授 (00433706)
木村 拓也 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (40452304)
藤田 雄飛 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (90580738)
Lu Min 九州大学, 基幹教育院, 助教 (60750007)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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キーワード | 教育データリテラシー / ラーニングアナリティクス |
研究実績の概要 |
今年度は, 先行研究レビューを通じ, 教育データリテラシー(教育DL)育成モデルの仮説構築と教育データ分析支援基盤の開発を行った。教育DL育成モデルについては、当初計画書にも記入したように、自己調整学習やメタ認知といった、自己に対する理解が深く影響することが考えられるため、メタ認知データを踏まえて、メタ認知の強さと学習行動の関係性について分析を行った。その結果、学習教材に対して、ブックマークをつける行動、メモを削除する行動、他者の学習行動が可視化されるツールの活用、教材に対する理解を示す機能の利用に対して、メタ認知の高低が影響することが示された。特にメモなどのを削除する行動はこれまでの我々の研究でも特徴点として見いだされており、メモやマーカー、ブックマークなどを削除する行動がメタ認知を活性化し、教育DLを高める可能性が示された。システム開発については、データを収集する基本となるeBookシステムの改修を行った。特に上記で示されたように削除系の行動データについては記録の漏れがある可能性があり、それを防ぐことや本研究が進んでいく中で様々なデータを収集する可能性が増えるため、プラグインとして追加できる拡張を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に大きな問題なく研究は進められている。教育分析基盤系については入力側に当たるeBookシステムの改修を主に行ったが、ログを分析する中で、メタ認知や先延ばし行動、社会認知など様々な類似点から行動の類似点も学習行動シーケンスから見えているので、分析基盤にもデザインし、開発を進めていくことができる状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
今後はどういうデータの可視化がメタ認知を高めたのか、質的に収集したデータがあるため、それを分析し、教育DL育成モデルの精度を高めることを考えている。また学習ログ分析からメタ認知の高低における差異について他のデータからも同様の傾向が見えるのか、検証する。システム開発については、学習行動の類似性について可視化する機能デザインを進め、今年度後半には開発を進め、検証していく計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
教育データリテラシー研究に関する学術研究員、もしくはスタッフ雇用をする予定であったが、予定者が事情により辞退をしたために次年度使用額が生じた。また他にも分担者が予定していた海外渡航も延長になり、使用することができなかった。次年度はスタッフの雇用をし、研究をより一層、スピード感をもって進める。また分担者の海外渡航も認められたと聞いているので、順調に執行できると考えている。さらにシステム開発も進めるため、使用は順調に執行できると考えている。
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