研究課題
挑戦的研究(開拓)
省エネ化に不可欠な大電力制御用のMOS型SiCデバイスの問題点に対し、材料物性的に導かれた仮説「フローティングステートのゆらぎによる散乱」を実験的に明らかにする提案である。SiC表面の酸化を伴わないMOS構造の形成や、フローティングステートのゆらぎを観測可能なデバイスの試作と特性解析を実施することによって界面設計指針を再構築することを目指す。
本研究によってSiO2/SiC界面の特異性に関する議論に決着を付けることができれば、従来の理解を超えたMOS界面科学の深化と界面設計指針の再構築が可能になる。パワー素子としてのSiC MOSFETはSiO2/SiC界面特性の理解と制御が不足しており本来の高効率性能と高信頼性を発揮できていない、という背景を踏まえれば、その学術的・社会的意義は大きいものと判断される。