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2022 年度 実施状況報告書

超小型衛星による高解像度立体撮影と雷放電観測に基づく台風の超高精度監視・予測

研究課題

研究課題/領域番号 21K18177
研究機関北海道大学

研究代表者

高橋 幸弘  北海道大学, 理学研究院, 教授 (50236329)

研究分担者 佐藤 光輝  北海道大学, 理学研究院, 教授 (50312541)
久保田 尚之  北海道大学, 理学研究院, 特任准教授 (40359211)
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2025-03-31
キーワード台風 / 3D観測 / 超小型衛星 / 雷放電 / 地上観測 / 水蒸気
研究実績の概要

本研究では、超小型衛星と雷放電測網を組み合わせた、これまでに例のない超高精度の台風監視と予測を行うための観測システムを低コストで実現する手段に見通しをつけることを目的としている。2022年度は、50kg級超小型衛星DIWATA-2を運用して、4月から9月までに計30日のオンディマンド運用のキャンペーン観測を実施し、そのうち台風の観測は18日行った。実施した露光は、高解像度カメラおよび魚眼カメラそれぞれ約400枚(そのうち台風は、それぞれ269枚と303枚)、スペクトルカメラ80枚であった。これらの3D画像解析環境を、日本国内とフィリピンの両方に整備し、解析を進めた。また雲の3Dを捉えるための地上観測実験を実施し、千葉県から都内の洪水発生予測地域(江東5区)の雲監視が可能であることを確認した。さらに、南極昭和基地で恒星を望遠鏡で分光観測したデータを解析することで、水蒸気のカラム量を推定する手法に見通しがあることを確認した。今後この方法を、衛星からの地上観測に応用することで、台風や線状降水帯の発達予測に必要とされながら適切な観測手段のなかった、水蒸気の広域水平分布の把握を目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2022年度は、超小型衛星DIWATA-2を運用して、台風シーズンに、台風の中心部を異なる角度から撮影、解析することを計画していた。実際には、4個の台風について18日間、それ以外の積乱雲など関連気象現象について12日の衛星運用実施し、ターゲット領域にカメラを向けての観測し1000枚近い良好なデータを取得することができた。データ解析環境を整備し、日本とフィリピンの2箇所での解析を実施している。新たな雷観測機器を2式調達し、設置作業に入れる準備ができた。南極観測のデータ解析に基づき、台風の発生・発達予測の鍵となる海洋上での水蒸気分布に、超小型衛星を用いた新手法を考案した。こうした新観測手法の応用のために、名古屋大学などの応用数学研究チームと検討を進めている。

今後の研究の推進方策

引き続き、超小型衛星による台風および関連気象現象のオンディマンド観測とその解析を継続して、データの蓄積を進め、その3D解析などを進める。台風の雲そのものの観測に加え、台風発生・発達の鍵を握る、地表付近の水蒸気分布の計測手法について、2022年に明らかになった新手法を衛星を使ったスペクトル観測で実証する。。雷放電観測の設置、観測運用を継続する。

次年度使用額が生じた理由

雷観測装置の納品が当初計画よりも遅れ、その結果性能確認も遅れたため、設置するフィールドへの輸送と設置作業にかかることができなかった。2023年度はそのために繰り越し予算を使用する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 4件)

  • [国際共同研究] DOST-ASTI/Univ. Philippines, Diliman/PhilSA(フィリピン)

    • 国名
      フィリピン
    • 外国機関名
      DOST-ASTI/Univ. Philippines, Diliman/PhilSA
    • 他の機関数
      1
  • [学会発表] Extreme weather monitoring with lightning network and micro-satellites in SE Asia and Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, Y.
    • 学会等名
      THE INTERNATIONAL WORKSHOP ON CLIMATE, WATER, LAND, AND LIFE IN MONSOON ASIA
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] A constellation of micro-satellite for the earth, space, and planetary observation with advanced sensors and operation2022

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, Y.
    • 学会等名
      JpGU 2022 Meeting
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] リモートセンシングでさぐる人間活動と自然環境の関係2022

    • 著者名/発表者名
      高橋幸弘
    • 学会等名
      JpGU 2022 Meeting
    • 招待講演
  • [学会発表] Extreme weather monitoring system using microsatellite and ground observation network in Asia2022

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, Y., Sato, M., Meryl Regine Algodon, and H. Kubota
    • 学会等名
      JpGU 2022 Meeting
  • [学会発表] Toward construction of on-demand network for micro-satellite constellation,2022

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, Y.
    • 学会等名
      JpGU 2022 Meeting
  • [学会発表] CONTRIBUTION OF ADVANCED REMOTE SENSING WITH MICRO-SATELLITE TO EARTH OBSERVATION2022

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, Y
    • 学会等名
      IGARSS 2022
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Lightning Activities in Typhoon Clouds and Their Relation to the Typhoon Intensity Development2022

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, Y., Sato, M., Meryl Regine Algodon, and H. Kubota
    • 学会等名
      AOGS 2022 Virtual,
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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