研究実績の概要 |
相対論効果や結晶および電子軌道の対称性(既約表現)に基づいて発現する特徴的な電子構造をもつ非磁性半金属を対象に開拓を行うという戦略のもとで、キャリア移動度および磁気抵抗変化率(MR)で未踏領域の特性値を示す物質の創製に挑戦した。 開発のスキームとして、超高速キャリア移動度(μ∝τ/m*)の実現に向けて、物質固有の電子有効質量(m*)を極端に小さくできるグラフェンに類似した線形電子分散(ディラック型)および派生した特徴的な電子構造(ワイル型、ノーダルライン型、ノーダルリング型など)をもつ半金属を第一原理計算も活用しながら探索し、選定した物質を高品質な単結晶試料として準備して実験実証を行うという手順により、研究を推進した。 候補物質について化学組成や欠陥量を精密制御した純良単結晶試料の準備に取り組み、キャリア移動度や磁気抵抗変化率を含めた磁気輸送特性の詳細な評価が順調に進んだ。 学会発表や論文発表にまで至った本年度に扱った物質は、MoS2, MoSe2, WS2, WSe2, WTe2, ReSe2, TiS2, h-BN, In2Se3, Fe-BiSbTe2Se, Bi2Se3, NiS2, WOx, ZrSiS, HfSiS, d-MoTe2, 2M-WS2, NbTe2, La1.85Sr0.15CuO4, TaSe2, Fe(S,Se) など多岐にわたり、中でも ZrSiS と HfSiS においては、キャリア移動度および磁気抵抗変化率の既報値を数倍更新することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
物質・特性開拓について設定した研究戦略の遂行が順調に進み、MoS2, MoSe2, WS2, WSe2, WTe2, ReSe2, TiS2, h-BN, In2Se3, Fe-BiSbTe2Se, Bi2Se3, NiS2, WOx, ZrSiS, HfSiS, d-MoTe2, 2M-WS2, NbTe2, La1.85Sr0.15CuO4, TaSe2, Fe(S,Se) など、多岐にわたる物質を高品質な単結晶試料として開発し、それぞれについての成果を学会発表や論文発表を行うことができた。中でも ZrSiS と HfSiS においては、キャリア移動度および磁気抵抗変化率の既報値を数倍更新することに成功した。
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