研究課題
挑戦的研究(開拓)
高効率でクリーン高性能電池の発展のため高速イオン伝導体を探索し実証する計画である。従来材では異価数イオンの添加でできる空孔を介してH+やO2-の伝導度を向上させるが添加による相不安定が避けられない。探索する新物質は「本質的に酸素空孔層を有する新型超イオン伝導体」で、21万件以上のデータから網羅的に探索し、候補組成を抽出し実際に試作した試料を多面的に物性評価し狙いの新材料を実証する計画である。
酸素空孔層を本質的に持つ層状ペロブスカイト酸化物は、ドーピングによる相不安定性から逃れた超イオン伝導体ができるはずとの着想に基づき、データベースから応募者の知識に基づきフィルタリングして候補を粗く絞り、さらに計算科学により伝導経路等のエネルギー障壁等の検討を経て抽出した組成の物質を試作し多面的な物性評価で特性を実証する流れは合理的で、社会的期待の大きな新たな電池材料の創製への挑戦性が感じられる。