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2022 年度 実施状況報告書

昆虫に訓練免疫はあるか?昆虫ウイルス感染防御に働くワクチンの探索

研究課題

研究課題/領域番号 21K18219
研究機関東京農工大学

研究代表者

仲井 まどか  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60302907)

研究分担者 横山 岳  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20210635)
木内 隆史  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (60622892)
古谷 哲也  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60647676)
天竺桂 弘子  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80434190)
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2025-03-31
キーワードウイルス / 自然免疫 / 訓練免疫 / 抗ウイルスワクチン / カイコ / 養蚕 / 異物認識機構
研究実績の概要

本研究の目的は、カイコにおける経口抗ウイルスワクチンの探索である。哺乳類でウイルス感染予防に効果のある物質をカイコ幼虫に投与して生物検定によりスクリーニングを行う。具体的には、人工飼料で飼育できるカイコ系統(N4系統)を供試し、BCGワクチン投与によるカイコ幼虫のウイルス感受性の変化を検出する。供試するウイルスとしては、カイコに頻繁に流行病を引き起こすBombyx mori nucleopolyhedrovirus(BmNPV)を用いた。本研究により、カイコのウイルス感染を防ぐワクチンが見つかれば、養蚕業における健蚕生産に直接的に貢献できる。哺乳類では炎症性サイトカインが訓練免疫に関与している。そこで、Toll経路アダプターを欠損させた免疫不全カイコを作成し炎症性サイトカインの訓練免疫との関係を明らかにする。ワクチン候補をマウスに投与してワクチンとしての効果を調査する。マウスとカイコで共通の訓練免疫を誘導するシステムが見つかれば、カイコを用いた人畜感染症ワクチンのスクリーニング技術の開発という発展が期待できる。2022年度は、カイコ幼虫にウイルス(BmNPV)を接種しBCG投与によりウイルス感染率の減少をBCG無接種区と比較した。また、異物認識機構としてToll経路とIMD経路によりそれぞれ活性化される抗菌ペプチドの生産を検出する実験をBCG接種およびウイルス接種区で行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

BCG接種によるウイルス感染抑制についての実験結果が得られた。また、異物認識機構としてToll経路とIMD経路によりそれぞれ活性化される抗菌ペプチドの生産を検出する実験系がほぼ確立した。

今後の研究の推進方策

BCGワクチン以外のワクチン候補についてウイルス感染抑制の有無を確認する。また、経口接種法により経口ワクチンの可能性を検討する。免疫関連遺伝子を欠損させたカイコの系統を作成している。

次年度使用額が生じた理由

2022年度より、ポスドクを雇用して研究を行なっているが、2023年度も引き続き雇用する予算を確保するため翌年度分の助成金を残す必要があった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [国際共同研究] Hunan Agricultural University(中国)

    • 国名
      中国
    • 外国機関名
      Hunan Agricultural University
  • [雑誌論文] Insight into the regulation of the Nrf2 pathway in response to ascovirus infection in Spodoptera exigua2022

    • 著者名/発表者名
      Ruoheng Jin, Zhengkun Xiao, Madoka Nakai, Guo‐Hua Huang
    • 雑誌名

      Pest Management Science

      巻: 79 ページ: 1123-1130

    • DOI

      10.1002/ps.7284

  • [雑誌論文] Discovery of a New Endoparasitoid Wasp (Hymenoptera: Braconidae: Microgastrinae) on Bombyx Larvae (Lepidoptera: Bombycidae) from Japan2022

    • 著者名/発表者名
      Takuro Tokuhira, Shoji Ono, Jose L. Fernandes-Triana, So Shimizu, Takeshi Yokoyama and Kaoru Maeto
    • 雑誌名

      ESAKIA

      巻: 55 ページ: 31-40

    • DOI

      10.5109/6610220

  • [学会発表] クワコ及びカイコ幼虫に寄生する新種の寄生蜂クワコサムライコマユバチ(Protapanteles bombycis)の生態2023

    • 著者名/発表者名
      小野祥児, 前藤薫, 伊藤克彦, 横山岳
    • 学会等名
      令和 5年度蚕糸・昆虫機能利用学術講演会
  • [学会発表] 「ウイルス殺虫剤のABC(基礎) 」 ~NPV(核多角体病ウイルス)と GV(顆粒病ウイルス)、 生物・化学農薬との共生について~2022

    • 著者名/発表者名
      仲井まどか
    • 学会等名
      第4回 日本生物防除協議会オンラインシンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] 昆虫のウイルス病について2022

    • 著者名/発表者名
      仲井まどか
    • 学会等名
      第79回昆虫病理研究会
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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