研究課題/領域番号 |
21K18235
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
東山 哲也 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (00313205)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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キーワード | ブラシノステロイド / 受容体 / ステロイドホルモン / 生殖ホルモン / 進化 |
研究実績の概要 |
動物と植物のホルモンにおいて、唯一共通する分子種が存在する。ステロイドである。植物のステロイドホルモンであるブラシノステロイドは、1979年に花粉から精製されることで発見された。その機能解明は、茎や葉などの栄養組織で行われ、1997年には細胞膜に存在する一回膜貫通型の受容体BRI1も発見された。BRI1を起点とするシグナリング経路は詳しく解明された一方、ブラシノステロイドが花粉から発見された意味は顧みられることはなかった。最近我々はブラシノステロイドが植物生殖において極めて重要な生殖ホルモンであることを突き止めた。我々はブラシノステロイドが、植物の進化の初期に、生殖や成長を担うホルモンとして誕生したという仮説に至った。動物でも性に関わることが多い「ステロイドホルモン」の誕生と進化の概念を大きく変え得る本研究に挑戦する。本年度は、トレニアおよび緑藻の生殖過程におけるブラシノステロイドの効果について解析を進めた。緑藻については新たに複数種を用いて定量的に生殖過程への効果について検証した。研究計画にある、花粉でのブラシノステロイドシグナリングを可視化するマーカーについて、複数の候補遺伝子をもとに準備を進めた。さらに受容体である可能性のある分子群についても花粉管の遺伝子発現データから探索を進めた。ブラシノステロイドが生殖ホルモンとして雌雄の組織に多様な効果を持つことを示す論文用のデータを揃えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、大きく分けて、1)ブラシノステロイドの未知受容体の同定と、2)ステロイドと有性生殖の関係性に関する解析、の二つのアプローチを並行して進めることとしており、それぞれにおいて計画通りに研究を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き計画通りに研究を進める。マーカーをもとにしたスクリーニングの準備を進めるとともに、受容体である可能性が有り得る分子についても解析を進める。植物系統の幅広い植物種の生殖における効果についても解析を継続する。ブラシノステロイドが植物の生殖ホルモンであることを示す論文について発表を進める。
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