研究課題/領域番号 |
21K18239
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
森川 正章 北海道大学, 地球環境科学研究院, 教授 (20230104)
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研究分担者 |
小山 時隆 京都大学, 理学研究科, 准教授 (30324396)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | ホロビオント / 共生 / ウキクサ / 植物成長促進細菌 / 相互作用分子機構 |
研究成果の概要 |
本研究課題では淡水水生植物の微生物共生に着目し、宿主植物と表層共生微生物について植物生理学的研究と微生物学的研究の両面から相互作用分子機構を理解した。Acinetobacter属およびPseudomonas属共生細菌は、構造の異なる細胞外多糖・リポ多糖を生産し、宿主植物の異なる場所に付着してその成長を促進することが示された。一方、植物個体内では、細菌付着>鉄利用効率上昇>窒素代謝とクロロフィル代謝促進>葉緑体の発達>光合成活性上昇という応答により成長促進していることが判明した。さらに、Bacillus属の共生細菌はペプチダーゼを分泌することによって宿主植物の成長を促進していることを発見した。
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自由記述の分野 |
環境微生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果はこれまで未解明であった、淡水水生植物と表層共生微生物による成長促進作用について双方の研究からその分子機構を明らかにした。これは地球生物圏を支える仕組みの一部を理解するものであると共に両者のホロビオントとしての共進化を理解する手がかりを提供する。一方、研究の対象とした淡水水生植物ウキクサは光合成による廃水浄化作用を有し、増殖した植物バイオマスは資源価値が高いことが指摘されているため、ここで得られた知見は省エネ水処理技術および有用バイオマス生産技術にも利用可能であることから、資源循環型低炭素社会基盤の構築にも寄与する。
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