研究課題
挑戦的研究(開拓)
動物の交尾器の起源は明らかになっておらず、多くの多細胞生物において、交尾期は附属肢から進化したと考えられている。本研究は、左右相称動物において、交尾器が付属肢の起源であるという仮説を、交尾器はもつが付属肢をもたない珍無腸動物門の生物をモデルとした分子生物学実験によって明らかにしようとするものである。飼育系の確立、交尾器の発生観察から始まり、遺伝子レベルでの解析までを実施する。
交尾器の分子発生機構および進化発生学的機構を明らかにすることで、交尾器の発生に用いられていた突出部位を作る機構が付属肢の発生に転用されたという新たな仮説の検証に取り組もうとするものである。この仮説を支持するような結論が得られた場合には、付属肢や交尾器の進化をめぐる議論に多大な貢献をすることが期待される。加えて、研究方法も堅実なもので、新たな取り組みに挑戦するという点においても問題ないと考えられる。
