研究課題
挑戦的研究(開拓)
本研究では、CRISPR/Cas9法によって、遺伝子スクリーニングを実施することで、骨免疫に関連する血球細胞の分化や機能を制御する遺伝子を同定することを目的とした。in sillicoおよび in vitro解析を活用して、破骨細胞分化を制御する新規転写因子を同定した。RANKLの発現制御を司るエンハンサー領域を決定し、欠損マウスを用いた検証を行うことで、RANKLエンハンサー群の生理・病理的意義を解明した。
免疫学
高齢化が進む日本社会において、関節炎や歯周炎、骨粗鬆症は生活の質を損なう要因であり、解決しなければならない問題である。本研究により、新規破骨細胞制御因子の同定や新たなRANKLの発現制御機構の一旦が解明されたことで、骨免疫の理解が進んだだけでなく、これらの疾患に関連する新たな治療戦略の開発につながった。また、本アプローチが細胞機能に重要な遺伝子の同定に極めて有効であることが示された。本手法を血液細胞全般に応用することで、さらなる医学的重要知見がもたらされると考えられる。