研究課題/領域番号 |
21K18284
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
中尾 龍馬 国立感染症研究所, 細菌第一部, 主任研究官 (10370959)
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研究分担者 |
相内 章 国立感染症研究所, 感染病理部, 主任研究官 (10572133)
泉福 英信 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (20250186)
佐々木 永太 国立感染症研究所, 治療薬・ワクチン開発研究センター, 主任研究官 (40762216)
野村 暢彦 筑波大学, 生命環境系, 教授 (60292520)
井上 智 国立感染症研究所, 獣医科学部, 室長 (90213157)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 細菌由来膜小胞 |
研究実績の概要 |
ヒト、及びイヌに共通の歯周病原細菌と考えられている Porphyromonas gingivalis (Pg)、 Treponema denticola (Td)、Fusobacterium nucleatum (Fn) の3菌種につき、それぞれの培養上清から超遠心分離法により外膜小胞(OMVs)を回収した。上記3菌種由来OMVsに加え、ヒト若年性歯周炎に関連するAggregatibacter actinomycetemcomitans (Aa)、イヌの歯周病原細菌Porphyromonas salivosa (Ps)、及びプロバイオティクス大腸菌Nissle 1917 (EcN)のOMVsを同時に投与する群も設定した。BALB/cマウスに3週間隔で3回、OMVsの経鼻投与を行い、3回目の免疫の2週間後に血清と唾液を採取した。血清と唾液中の抗体産生量は、凍結乾燥菌体を固層化したELISAにより評価した。その結果、Pg、Td、そしてEcNの3種のOMVsを混合したワクチン接種群のマウスにおいて、強力なPgおよびTdに対する液性免疫応答が誘導され、当該マウス血清IgG、及び唾液SIgAは、イヌ、ネコ、サル等の歯周病と関連する Porphyromonas gulaeにも交叉反応を示した。以上、マウスにおいてPgとTdに対する液性免疫を最も強く誘導できる3種類のOMVsワクチンの組み合わせ (Pg、Td、EcN) を決定した。この結果に基づき、8頭のビーグル犬を用いた歯周病ワクチンの実験を開始した。ビーグル動物実験は、約9ヶ月間経過を追い、本年度内に実験を終了した。現在、得られたサンプルを解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスモデル実験において、PgとAaのOMVsのコンビネーションでの経鼻投与で、ワクチンの有効性(口腔内からの菌のクリアランスの向上)が確認されたため。また、すでにビーグル犬の実験も終了し、あとは解析を残すのみとなっているため。
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今後の研究の推進方策 |
ビーグル犬の実験で得られたサンプルの解析を進める。 解析結果から、OMVsワクチンの安全性や免疫原性を確認できた場合は、なるべく早期に獣医臨床研究に着手する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた金額よりもビーグル犬を安価に購入でき、経費が削減できた。一方、昨今の試薬類の価格高騰もあり、今後も無駄なく計画的に研究費を使用する。
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