研究課題
本研究は、要介護の主要因であるフレイルの主軸をなす病態であるサルコペニアを生活習慣病と位置づけ、世界的にも例がないサルコペニアを10年以上追跡している大規模住民コホート(Research on Osteoarthritis/osteoporosis Against Disability Study, ROADスタディ)及びサブコホートであるWakayama Spine Study(WSS)において、筋・骨クロストーク及び筋タンパクターンオーバーを主眼として、網羅的探索研究から標的分子を絞り込む多面的機能解析を行うことでサルコペニアの実態を解明し、作用機序に基づく早期発症予知・重症化予測診断マーカーを開発することを目的としている。2021年度は、まずこれまでの10年間の蓄積データをリンケージし、サルコペニア・データベースの作成に着手した。このデータベースは、サルコペニアの発症原因が糖尿病や動脈硬化症などの生活習慣病と交叉していると考えられることから、筋肉量及び筋力等のサルコペニアの主指標と生活習慣との関連について解析することを主眼としている。また、保存している血液や尿検体を使用して、筋・骨クロストーク及び筋タンパクターンオーバーに関連する各分子の測定に最適な方法を確立するための検討を行ってきた。酸化ストレス指標、炎症マーカー等に関する分子、網羅的解析に最適な検体の抽出方法についての検討も進めている。
3: やや遅れている
新型コロナ感染拡大に伴い、海外生産の試薬や消耗品の入手の見込みがたたず、代替品を使用する等、初期には予定していなかった事由によりやや遅延している。
2022年度に予定している追跡調査を行い、2021年度で確立した方法を用いて各マーカーを測定し、データベースの構築を行う。
試薬や消耗品の入手が困難であったため、代替品等を使用したが、使用予定の試薬及び消耗品の納期が確定したので、今後は滞りなく使用できる予定である。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (1件)
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巻: 22 ページ: -
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