研究課題
本研究は、要介護の主要因であるフレイルの主軸をなす病態であるサルコペニアを生活習慣病と位置づけ、世界的にも例がないサルコペニアを10年以上追跡している大規模住民コホート(Research on Osteoarthritis/osteoporosis Against Disability Study, ROADスタディ)及びサブコホートであるWakayama Spine Study(WSS)において、筋・骨クロストーク及び筋タンパクターンオーバーを主眼として、網羅的探索研究から標的分子を絞り込む多面的機能解析を行うことでサルコペニアの実態を解明し、作用機序に基づく早期発症予知・重症化予測診断マーカーを開発することを目的としている。2022年度は、ROADスタディの15年目、WSSの10年目にあたる山村地域での住民調査を行い、約680人の参加を得ることができた。これまでの蓄積データと、2022年度で得られたデータをリンケージし、サルコペニア・データベースの作成に着手している。保存している尿検体を用いて酸化ストレスマーカーを測定し、サルコペニア関連指標との関係について報告した他、細胞外小胞の抽出法について確立し、現在細胞外小胞の網羅的解析にも取り掛かっている。
3: やや遅れている
新型コロナウイルス感染症拡大の中、感染予防に十分に注意した上で、追跡調査が行えた。また、同じく新型コロナウイルス感染拡大に伴い、世界的に物流が滞り、海外生産の試薬が入手困難であったが、年度末になって順調に入手できるようになったため、今後はスムーズに研究を進められると考える。
2023年度に実施予定の漁村部での調査を行い、全てのデータをリンケージする。バイオマーカーについても保存している検体について測定を進め、2023年度で得られる検体についても同様に測定を進め、サルコペニアと生活習慣病との関連を明らかにし、サルコペニアの実体を明らかにした上で、早期発症予知・重症化予測診断マーカーの提示を目指す。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、試薬の入手が困難だったうえ、住民健診の実施も見送っていたため。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
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