研究課題/領域番号 |
21K18299
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
菅原 順 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究グループ長 (00357261)
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研究分担者 |
渡辺 由美子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (20425739)
菅生 康子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究グループ長 (40357257)
樽味 孝 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (40825858)
高島 一郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 上級主任研究員 (90357351)
浅原 亮太 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (90847584)
稗田 道成 九州大学, 医学研究院, 助教 (80739342)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 加齢 / 認知症 / 動脈硬化 / トランスレーショナルスタディ |
研究実績の概要 |
認知症対策は、健康の保持・増進、QoLの向上、さらには高騰する医療費・介護費抑制に直結する、不可避かつ喫緊の問題である。現在、認知症に有効な根治治療薬はなく、発症リスクの軽減による発症予防・遅延が最重要課題となっている。近年、加齢に伴う動脈スティフネス(壁の硬さ)の増大と認知機能の低下が関連するという研究成果が複数報告されている。この機序として、「動脈スティフネスが増大すると、脳への血流・血圧の拍動性変動が増強されて脳に対する慢性的な物理的ストレスとなり、脳機能低下、ひいては認知症をもたらす」というコンセプトが提案されているが、コホート研究という特性上、因果関係は明らかにされていない。また、脳への影響という点では、生体内で最も伸展性が高く、かつ脳と心臓とをつなぐ近位大動脈に着目すべきであるが、先行研究の多くは大動脈全体もしくは全身的な動脈のスティフネスを評価しており、近位大動脈を扱った研究は一報のみである。 また、動脈スティフネスが増大すると受容器の伸び縮みが阻害され、圧反射感受性の低下が起きる。圧反射感受性の低下は血圧調節の異常、ひいては脳の潅流異常をもたらすかもしれない。 そこで本研究では、動脈スティフネスの増大と脳潅流異常及び認知機能低下の因果関係を明らかにし、認知症発症予防のための有効なリスクマーカーの同定を目指す。この目的を果たすために、ヒトと動物(げっ歯類およびサル)を対象にトランスレーショナルスタディを実施する。 本年度は、ラットを用いてモデル動物の作成方法について比較・検討した。また、サルを用いたモデル動物作成のための準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のため、ヒトを対象にした実験は実施できていないが、動物実験のほうは順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
感染拡大状況をモニタリングしながら、研究所のガイドラインに準拠して研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験は準備が順調に進んでいる。コロナ禍のため、ヒトを対象にした実験は実施できていない。助成金の一部は今後行うサルを対象にした本実験の消耗品などに使用する予定である。 またヒトの実験に関しても、被検者実験の消耗品やMRIの使用費用などに充てる予定である。
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