| 研究課題/領域番号 |
21K18305
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| 研究機関 | 静岡大学 |
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研究代表者 |
西村 雅史 静岡大学, 情報学部, 教授 (60740363)
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| 研究分担者 |
黒岩 眞吾 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (20333510)
森野 智子 静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 講師 (20582703)
津賀 一弘 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (60217289)
合田 敏尚 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 特任教授 (70195923)
西田 昌史 静岡大学, 情報学部, 准教授 (80361442)
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| 研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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| キーワード | 食行動 / 口腔機能 / 嚥下機能 / 自動行動認識 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は人が食物を認識し口に運ぶまでの見てわかる食行動だけでなく，食物を口腔内で咀嚼し，食塊形成して嚥下するまでの一連の食行動を多元的なセンサー情報とともにデータベース化し，情報工学，保健・医療の両面で活用することを目指している．研究計画に則り，1年目はデータ収集に関する全体デザインと，今後必要となる要素技術の検討を中心に実施した．
まず，食行動に関するメタ情報の付与に向け，咀嚼音や嚥下音といった生体音を用いた口腔内食行動（咀嚼位置や嚥下）の自動認識に関する検討を行い，高い認識性能を得ることが出来た．加えて，生体音から口腔内での食物の粉砕状態を推定する方法を開発した．また，これと並行し，口腔外での食行動情報（食材の選択，口への運搬，咬断）の抽出を目的として，集音マイクから得られる行動音に加え，加速度および画像情報を併用した人の行動認識技術についても検討し，多様なセンサ情報を組み合わせることの有用性をあらためて確認した．これらの基本技術は今後大規模な食行動データベースを構築する際，人手による視察修正のための基本情報としても利用する予定である．
一方，収集すべき食行動データは実に多様で，メンバー内でも様々な意見があり，事前に全てをデザインして画一的に収集するといったことは困難であることが判明した．結果として，被験者の年齢や健康状態，口腔機能レベルなどに応じて対象となる食材やその摂取量，加えて使用するセンサなども柔軟に変更できるよう，実験デザインの方法自体を見直した．また，若年者から後期高齢者に至る幅広い年齢層の被験者に対し，食材及びその適切な摂取量，並びに無理なく利用可能なセンサを確認するための予備実験を実施した．
上記の研究活動の中で得られた成果については，特許申請１件，学会発表９件（うち国際会議2件）を行うとともに，ジャーナル論文も１件掲載予定となっている．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
食行動の多様性に対処するため，一気に大規模なデータ収集を開始するという方向性ではなく，様々な条件下で，小規模な収録・評価実験を行い，その結果を慎重に見極めた上で徐々に規模を大きくするという方向に実験計画自体を変更した．このため，幅広い年齢層を対象とした本格的なデータ収集並びにデータベース構築作業は当初予定より遅れて開始することになる．
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| 今後の研究の推進方策 |
2022年度中は一気に大規模なデータ収集を開始するのではなく，様々な条件下で小規模な収録・評価実験を行うこととする．これによって収録されるデータあるいはシステム上の課題を十分に把握し，その上で大規模実験に向けての改良に取り組む．
2023年度以降は当初予定通り食行動データの大規模収集を実施し，データベースの構築を順次進める．また，構築中のデータベースを活用した研究を情報工学及び保健・医療の両面から行い，その成果について報告するとともに，2024年度中の食行動データベース公開に向けての作業を実施する．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
収録するデータの仕様策定に加え，食行動データ収集システムや関連ソフトウェアの基本設計を初年度中に概ね完了する予定であったが，収録対象とその方法に関する検討に予想以上の時間を費やしたことで全体のシステム開発作業が遅れた．2022年度中に収集システムや関連ソフトウェアの開発を完了させ，データ収集も順次実施する．
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