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2021 年度 実施状況報告書

産業遺産の価値変遷と保存・利活用のあり方、持続可能なマネジメントの国際比較

研究課題

研究課題/領域番号 21K18335
研究機関名古屋大学

研究代表者

横山 悦生  名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (40210629)

研究分担者 市原 猛志  熊本学園大学, 商学部, 講師 (00590564)
石田 正治  名古屋芸術大学, 芸術学部, 非常勤講師 (30402671)
川島 智生  京都華頂大学, 現代家政学部現代家政学科, 教授 (60534360)
Mayer Oliver  愛知教育大学, 教育学部, 教授 (80378231)
中山 嘉彦  大阪学院大学, 経済学部, 教授 (80237479)
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2023-03-31
キーワード産業遺産 / 産業遺産ルート / 鉄道遺産 / 工場建築 / 鉱山 / 炭酸水工場 / 紡績工場 / 酒造
研究実績の概要

ヨーロッパ産業遺産ルート(ERIH)のもととなったドイツ、ルール地方の産業文化ルートの歴史と現状、産業文化ルートにおける管理運営と産業遺産の観光資源化についての成果について検討し、2022年度の調査計画を立案した。スウェーデンについては、ヨータ運河の調査すべき内容について検討し、調査日程を具体的に計画したが、コロナ禍のために実施することはできなかった。バーレーンの天然真珠採集業産業遺産について、主に日本における養殖真珠産業との比較を中心に調査した。国内の産業遺産については、鉄道遺産の価値変遷と電気品について最初に記述する。鉄道車両の主要電気品の主電動機、補助電源装置、および特に主制御器について、鉄道車両遺産の今後の評価基準となるように、東芝・東洋電機製造・日立製作所・三菱電機のメーカー別に技術発展の跡づけを試みた。次に、明治大正昭和前期の4つの分野(紡績・飲料水・鉄道・酒造)の工場建築の調査ならびに分析をおこなった。分野別にみれば、第一は煉瓦造の紡績工場で明治期の建築が現役の工場として使用されているものを調べ、今後の文化財的な位置付けの基礎資料を提示した。第二は明治期の炭酸水工場で、30年前に廃され、住宅地に転用されたが、今回の調査ではその元敷地のはずれに源泉場の濾過装置の遺構を再発見し、その価値付けをおこなった。第三は戦前の航空機格納庫が昭和20年代に鉄道工場にホール建築として移設され、2021年に解体されものを対象に、解体の前に現地調査し、その建築特徴と意義を解明した。第四は大正期の酒造場の現地調査であり、成立経緯と建築特質を解明した。対象としたのは根室の煉瓦造酒蔵と一関の石造酒蔵である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナの感染状況の広がりの中で、とりわけ海外調査(ドイツとスウェーデンに関する調査)が実施できなかった。

今後の研究の推進方策

昨年度に実施できなかった海外調査については、ドイツの産業遺産ルートに関する調査とスウェーデンの運河に関する調査を実施したいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

海外調査が実施できなかったので、国内調査を先行させたが、それにもかかわらず、経費の上では残額を残すことになった。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (7件) (うちオープンアクセス 4件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ヨーロッパ産業遺産ルート(ERIH)における産業遺産の保存と活用2022

    • 著者名/発表者名
      石田正治、オリバー・マイヤー
    • 雑誌名

      技術教育学の探究

      巻: 25 ページ: 32-40

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 鉄道遺産の価値変遷と電気品2022

    • 著者名/発表者名
      中山嘉彦
    • 雑誌名

      技術教育学の探究

      巻: 25 ページ: 50-55

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 明治期炭酸水製造所の建築史ーウィルキンソン炭酸工場を中心にー2022

    • 著者名/発表者名
      川島智生
    • 雑誌名

      技術教育学の探究

      巻: 25 ページ: 41-49

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 真珠産業関連産業遺産の国内外比較についてーバーレーンの真珠採取業と鳥羽市ミキモト真珠島2022

    • 著者名/発表者名
      市原猛志
    • 雑誌名

      技術教育学の探究

      巻: 25 ページ: 25-31

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 会食所1号の建築学的考察2022

    • 著者名/発表者名
      川島智生
    • 雑誌名

      多度津町教育委員会『JR四国多度津工場会食所1号』多度津町文化財調査報告書1

      巻: 1 ページ: 27-29

  • [雑誌論文] 根室の町と酒造家ー煉瓦造の酒蔵・碓氷勝三郎商会2021

    • 著者名/発表者名
      川島智生
    • 雑誌名

      『醸界春秋』(醸界通信社)

      巻: 198 ページ: 12-17

  • [雑誌論文] 「一関・世嬉の一酒造の建造物-大正8年の清酒醸造所」2021

    • 著者名/発表者名
      川島智生
    • 雑誌名

      『醸界春秋』(醸界通信社)

      巻: 199 ページ: 12-17

  • [学会発表] "Industriekultur in Deutschland und Japan" (ドイツと日本の産業遺産)2021

    • 著者名/発表者名
      Oliver Mayer
    • 学会等名
      第二届多元文化研究与跨文化教育国際研討会 / The Second International Symposium on Multicultural Studies and Cross-cultural Education, Shandong University 山東大学, China (online)
    • 招待講演
  • [学会発表] 都市遺産公園にみる産業遺産の保存と活用についての考察 -イギリ ス、マンチェスターのキャッスルフィールド都市遺産公園の事例研究-2021

    • 著者名/発表者名
      石田正治
    • 学会等名
      産業遺産学会2021年度全国大会(佐渡)研究発表会
  • [学会発表] 近畿地方における鉄道遺産の立地2021

    • 著者名/発表者名
      中山 嘉彦
    • 学会等名
      近畿産業考古学会総会特別講演
    • 招待講演
  • [図書] NISSHA本社工場の淵源1898-1948 明治期煉瓦造の工場建築史2021

    • 著者名/発表者名
      川島智生
    • 総ページ数
      267
    • 出版者
      NISSHA

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公開日: 2022-12-28  

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