研究課題/領域番号 |
21K18335
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研究機関 | 名古屋産業大学 |
研究代表者 |
横山 悦生 名古屋産業大学, 現代ビジネス学部, 教授 (40210629)
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研究分担者 |
市原 猛志 熊本学園大学, 商学部, 講師 (00590564) [辞退]
石田 正治 名古屋芸術大学, 芸術学部, 非常勤講師 (30402671)
川島 智生 京都華頂大学, 現代家政学部現代家政学科, 教授 (60534360)
Mayer Oliver 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (80378231)
中山 嘉彦 大阪学院大学, 経済学部, 教授 (80237479)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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キーワード | 産業遺産 / ルール工業地帯 / 保存と利活用 / ドイツ / 産業遺産ルート(ERIH) / 鉄道 / ノルトライン・ヴェストファーレン州 / 鉱山 |
研究実績の概要 |
産業遺産の保存と継承、利活用とその持続可能なマネジメントについて、ドイツ、ノルトライン・ヴェストファーレン州の産業文化ルートRoute der Industriekulturにおける産業遺産の現状と保存のあり方、利活用の方策について現地調査並びに文献調査を実施した。ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン州の中心部に位置するルール工業地帯は、欧州一のルール炭田を擁し、その採掘された豊富な石炭をもとに、コークス業、鉄鋼業をはじめとする重工業が発展し、鉄道や運河網が整備されたドイツ屈指の工業地帯である。第二次世界大戦後、エネルギー資源が石炭から石油に移り、1960年代の炭鉱の閉山とともに、この地域の鉱工業は急速に衰退した。残されたのは、炭鉱の巻き上げ機や坑道、製鉄所の高炉、コークス炉、ガスタンク、運河などの諸施設などである。1989年、衰退したルール地方の地域再生のためのIBA(国際建築展)エムシャー・パークが開催された。IBAエムシャー・パーク・プロジェクトは、産業遺産の再活用を軸として実施された。1990年、IBAエムシャー・パーク・プロジェクトの中から、ルール地方特有の産業遺産を観光資源とする産業文化ルート(ルート・デア・インダストリー・クルトゥーア)が創設された。この地域活性化のための産業文化ルートは、後にヨーロッパ産業遺産ルート(ERIH: European Route of Industrial Heritage)の創設の礎となった。アンカーポイントとなっている施設を中心に保存の現状と利活用の実態について調査した。2017年度のルール地方連合が行った産業文化ルートの諸施設の訪問者数は約725万人と報告され、産業遺産の観光資源化が地域再生に大きな役割を果たした。
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