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2024 年度 研究成果報告書

「よそもの過剰」の心性史-スイスにおける「異他的なもの」の意味変容

研究課題

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研究課題/領域番号 21K18337
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分1:思想、芸術およびその関連分野
研究機関長崎大学

研究代表者

葉柳 和則  長崎大学, 多文化社会学部, 教授 (70332856)

研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2025-03-31
キーワード移民 / スイス / 他者
研究成果の概要

本研究は、ドイツ語圏で人口に膾炙した「よそもの過剰」という言葉の流通に関して、特にドイツ語圏スイスにおける意味内容の変化とその社会・心理的背景を解明する。この言葉は、19世紀末ドイツで、「ユダヤ人の過剰」の符丁として誕生した。20世紀前半にスイスで使われ始めたとき、「非スイス的なものの過剰」へとこの言葉の意味が拡大した。その背景には、「精神的国土防衛」というスイスの国策があった。主たる成果は、「精神的国土防衛の父」と呼ばれる大統領・フィリップ・エッターの思想の解明と、戦後の「よそ者過剰」論の口火を切った、スイスの作家・「マックス・フリッシュ」の散文と講演『よそもの過剰』の分析・翻訳である。

自由記述の分野

文化研究

研究成果の学術的意義や社会的意義

現在、ヨーロッパのみならず日本でも、広義の移民の受け入れが社会的争点となっている。とりわけ、社会的・文化的背景を異にする他者を、地域のなかに受け入れることの困難は、すべての移民受け入れ国にとっての問題だと言える。マックス・フリッシュは、「精神的国土防衛」のような、「非スイス的なもの」=「よそもの」排除の運動の背景には、他者を道具的に利用し、人間的に扱うという意識の不在があると指摘する。彼の「私たちは労働力を呼びよせたのだが、来たのは人間だった」という言葉は、移民受け入れ制作の担当者から、雇用者、そしてコミュニティレベルで、現実認識と対応方針の枠組をもたらすものである。

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公開日: 2026-01-16  

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