研究課題/領域番号 |
21K18355
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
上田 彩子 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 研究員 (40582416)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | マンガ / 感覚拡張 / fMRI |
研究実績の概要 |
近年,日本特有の文化のひとつである「マンガ」の世界における影響の強さに注目が集まっているが,なぜ世界の読者にそれほど強い影響を与えるのかという問題は未解明である 。 本研究課題の目的は,その背景に共通する神経メカニズムとして,視覚刺激であるマンガの拡張的性質を仮定し ,神経科学的アプローチを用いて実験的に検討するというものであり,そのための本年度の主な研究実施計画は,最終的に実施するfMRI実験でターゲットとするマンガの表現様式とその心理的効果を決定するための心理行動実験を行うというものであった。具体的には,日本で出版されているマンガの表現様式を広くサーベイした後,それをもとに実験刺激を作成し,プログラム等の実験を行うための環境構築などを行い,実験参加者をリクルートして心理行動実験を実施するというものであった。しかしながら,新型コロナ感染対策のクライテリアにあわせた実験環境の構築に時間がかかっており,さらに,外部の実験参加者をコンスタントに呼ぶことがまだ難しい状況という問題を抱えており,研究の進行は遅れている。そこで,今年度は,マンガのサーベイと実験刺激の作成および実験プログラムの構築を中心的に行った。さらに,本実験でfMRIを使用するため,fMRIの使用を希望している研究機関の共同利用研究の公募に応募し,採択に至ったため,適切な実験プロトコルについてのディスカッションを行い,fMRI実験に向けての準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
上記概要にも記述したが,最も大きな理由は、新型コロナの影響である。新型コロナ感染対策のクライテリアにあわせた実験環境の構築が難しく,また,外部の実験参加者をコンスタントに呼ぶことがまだ難しい状況である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、新型コロナ感染対策のクライテリアにあわせた実験環境の構築を完成後,慎重に外部実験参加者をリクルートし,速やかに心理行動実験を実施し、fMRI実験でターゲットとするマンガの表現様式とその心理的効果を決定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ対策による研究の遅れのため、次年度使用額が生じている。本課題を適切に遂行するために,実験環境を構築するための機材が必要である。また,それ以外の実験の準備費用や,プログラムの作成を行うサポートスタッフの人件費,実験参加者への謝礼,実験結果を発表するための海外学会への参加等を予定している。
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