研究課題/領域番号 |
21K18394
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
坂本 麻衣子 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (50431474)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
キーワード | 社会関係資本 / 社会ネットワーク / 公共財 / 共有資源管理 / 実験ゲーム / Community Development / 国際協力 / 南アジア |
研究実績の概要 |
開発途上国では、コミュニティに導入された設備が上手く維持管理されず放棄されることが少なくない。こういった公共財の維持管理にはローカルなSocial Capitalが大きく影響を及ぼすことが予想される。これに対して、本研究課題ではコミュニティにあるSocial Capitalの特質をCommunity Developmentの文脈で包括的に調査・分析し、より精緻に評価することで、Social CapitalをCommunity Developmentに活用することを目的に調査方法論の開発を行おうとするものである。2022年度には、バングラデシュのクルナ市にある3つのスラムで調査を行った。これらのスラムでは飲料水や共同トイレの整備といったWaSH(Water and Sanitation and Hygine)に関するプロジェクトがNGOにより参加型開発のアプローチで実施されている。調査は2段階で実施した。まず、プロジェクトの影響が及ぶ範囲の世帯主およびその配偶者に質問紙調査(個人属性、衛生に関する態度、プロジェクトに関する態度、Social Capital指標等の質問)を行った。次に、得られた情報より、社会ネットワーク分析を用いて中心性指標の高い人物を男性と女性のグループでそれぞれ特定し、上位10位程度までの者と、提供されたWaSH設備の管理を担う者の計3グループに対して、各々のスラムで公共財ゲームを実施した。以上の情報を総合して、Community Developmentに関わるプロジェクトの成否とSocial Capitalの関連を考察する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスによる渡航制限と、遠隔で調査補助を依頼する予定であった現地協力者の都合が付かず、進捗は大幅に遅れていたが、2022年度より渡航が可能となったため、予定していた調査を実施した。当初計画より、1年ほどの遅れがある状況である。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度に取得したデータの分析結果を投稿準備中である。また、2つ目のケーススタディをこの成果も踏まえて実施予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス等の理由により調査を実施できなかったため、初年度の予算を繰り越している状況である。
|