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2021 年度 実施状況報告書

多様な言語話者を対象とした「やさしい日本語」による司法面接法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K18416
研究機関徳山大学

研究代表者

羽渕 由子  徳山大学, 福祉情報学部, 教授 (70435767)

研究分担者 仲 真紀子  立命館大学, OIC総合研究機構, 教授 (00172255)
立部 文崇  徳山大学, 経済学部, 准教授 (10724081)
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
キーワード外国人 / 司法面接 / 日本語会話能力 / やさしい日本語 / 通訳 / 目撃記憶 / 実務家 / NICHDプロトコル
研究実績の概要

本研究は,日本語を母語としない多様な言語話者から,正確で詳細な情報を得るための初期面接として,「やさしい日本語(単語や文の構造が平易な日本語)」による司法面接(虐待やいじめ,DVなどの被害事実を確認する面接)の方法を開発し,その実施範囲と基準を提示することを目的としている。
2021年度は,研究1として,面接対象者の日本語の会話能力別に「やさしい日本語」でおこなう司法面接の特徴を抽出する計画であった。このため,実験で用いる疑似事件映像を選定し,日本語レベルが初級の外国人の参加を想定して,説明書,同意書などを翻訳した。さらに,外国人を対象としたNICHDプロトコルに基づく司法面接の最小限の手続き(「やさしい日本語」版)を作成し,これらの実験材料を添えて,徳山大学研究倫理審査委員会に研究倫理審査を申請し,承認を得た。
しかしながら,新型コロナウイルス感染症の拡大と警戒レベルの変動に伴い,学内外の施設の使用や,対面でおこなう活動に制限が課され,予定していた実験の開始時期を延期せざるを得なかった。さらに,警戒レベルの引き下げ後も,コロナで遅延していた所属機関の改組に伴う増改築工事の影響により,静穏な実験環境を確保することが難しかった。このため,2021年度に計画していた研究1の実験を2022年度に実施する計画に変更した。
一方で,この待機期間中に,今後の感染症による規制の影響を想定し,オンライン形式による実験実施について国内外の共同研究者と意見交換をおこない,いくつかのオンライン会議アプリケーションや,使用機材,実施方法などについてテストをおこなった。
さらに,研究3で計画している実務家(警察官,検察官,弁護士など)を対象とする調査のために,ウェブ上で評価をおこなうウェブ調査のシステムを整備した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の拡大と警戒レベルの変動に伴い,施設の利用や対面でおこなう活動に制限が課され,予定していた実験の開始時期を延期せざるを得なかった。さらに,コロナで遅延していた所属機関の改組に伴う増改築工事の影響によって,静穏な実験環境を確保することが難しかった。このため,2021年度に計画していた研究1の実験を2022年度に実施する計画に変更した。
研究1の準備として,実験で用いる疑似事件映像を選定し,日本語レベルが初級の外国人の参加を想定して,説明書,同意書などを中国語(繁体字/簡体字)に翻訳した。さらに,外国人を対象としたNICHDプロトコルに基づく司法面接の最小限の手続き(「やさしい日本語」版)を作成し,これらの実験材料を添えて,徳山大学研究倫理審査委員会に研究倫理審査を申請し,承認を得た。
また,今後の感染症による規制の影響を想定し,オンライン形式による実験実施について国内外の共同研究者と意見交換をおこない,いくつかのオンライン会議アプリケーションや,使用機材,実施方法などについてテストをおこなった。
さらに,研究3で計画している実務家(警察官,検察官,弁護士など)を対象とする調査の準備として,ウェブ上で評価をおこなうウェブ調査のシステムを整備した。
2021年度はデータ収集こそできなかったが,対面あるいはオンラインで実験データを取得する準備を整えた。

今後の研究の推進方策

2022年度は,研究1で計画中の「やさしい日本語」による司法面接の実施と,研究2で計画中の通訳を介した司法面接との比較を平行しておこなう。対面での実験実施が困難になる場合を想定し,オンラインによる実験実施も視野に入れ,データの取得を目指す。
オンライン実験を実施する場合は,研究実施者が所属する機関に在籍する留学生に加え,日本国内および海外の研究協力者と連携してデータの取得をおこなう。その際には,学会がオンライン開催となったなどの理由で使途がなくなった旅費を,計画変更に伴って発生する経費に充填するなどして弾力的に活用し,研究を加速する。
さらに,2023年度計画中の研究3(「やさしい日本語」による司法面接で得られた供述の信用性・有用性の検討)の準備を前倒し可能な範囲で進める。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け,対面による実験の実施が制限され,研究1(「やさしい日本語」による司法面接)の実験データの取得が遅れている。これに伴い,実験協力者に支払う予定だった謝金および人件費,録音した会話データの文字おこしを外注する経費など,2021年度予算の執行が2022年度に繰り越されている。
2022年度は,2021年度に実施予定であった研究2(通訳を介した司法面接)の実験を平行しておこなう。その際,オンライン開催などの理由によって使途がなくなった学会参加用の旅費を,計画変更によって発生する経費に補填するなど,弾力的に運用し,研究を加速する。
さらに,2023年度に計画中の研究3(「やさしい日本語」による司法面接で得られた供述の信用性・有用性調査)の準備を可能な限り前倒しして,調査期間を確保し,計画を完遂できるよう備える。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件)

  • [国際共同研究] 南京暁庄学院(中国)

    • 国名
      中国
    • 外国機関名
      南京暁庄学院
  • [国際共同研究] 世新大学(その他の国・地域(台湾))

    • 国名
      その他の国・地域
    • 外国機関名
      世新大学
  • [雑誌論文] D. A. Poole著『Interviewing Children』から学ぶこと2022

    • 著者名/発表者名
      田中晶子・羽渕由子・仲真紀子・安田裕子・田中周子・佐々木真吾・田鍋佳子・赤嶺亜紀
    • 雑誌名

      法と心理

      巻: 21 ページ: 91-97

  • [雑誌論文] 証人尋問、当事者主義と心理学2022

    • 著者名/発表者名
      羽渕由子
    • 雑誌名

      法と心理

      巻: 21 ページ: 21-24

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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