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2022 年度 実施状況報告書

中央銀行政治の挑戦的研究: 中銀の有効性を探るサーベイ実験と計量テキスト分析

研究課題

研究課題/領域番号 21K18417
研究機関東北大学

研究代表者

東島 雅昌  東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (10756349)

研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
キーワード比較政治経済学 / 中央銀行 / 量的テキスト分析 / サーベイ実験
研究実績の概要

本研究では(1) 中銀と市民の間の金融政策をめぐるコミュニケーションの有効性がどのように変化し、中銀への信頼がいつ形成されるか、および(2)中銀の権限拡大がどのように生まれるのか検討する。第一に、いかなる中央銀行家の属性のもとで人々が中銀への政策期待を高めるか、サーベイ実験による実証をおこなった。サーベイ実験を通じて中銀の政策委員会に所属する中央銀行家の属性をランダムに被験者に示し、中銀の金融政策への期待がどのように変化するか検討した。今後、サーベイ実験の成果を論文としてまとめ、幾度か国際学会などで報告してフィードバックをもらったのちに、政治学の定評ある英文査読雑誌に投稿し、研究成果を国際的に発信することを計画している。

第二に、世界の中央銀行法のテキスト分析を通じ、中銀の経済政策の権限の違いを測定する多国間データを構築した。この新しいデータ・セットを用いることで、経済政策に対する権限の違いがどのように生じるか検討する。近年、通貨発行・為替政策・決済機能の提供・民間/地方銀行への流動性供給など金融政策を超えた領域で中銀が大きな権限をもってきている。こうした中銀の多様な政策権限の国際比較を可能にするデータを構築することで、「財政保守的中銀」の仮定を超え、多大な権限をもつ現代の中央銀行の体系的分析をおこなった。すでにアメリカ政治学会で報告して討論者から有益なコメントをいただいている。コメントを元に改訂を進め、政治学の英文査読誌に投稿を進める。また、現状のデータは 103カ国の一時点での中央銀行法を分析しているが、当然のことながら中央銀行法はしばしば改正され、時系列的にその内容が変化する。こうしたそれぞれの国内での変化をも捉えるべく、テキストデータを時系列に伸ばしてデータの再分析を進めることを計画している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

すでに日本でのサーベイ実験のデータは収集を完了し、データの分析を進めているところである。量的テキスト分析については、学会発表を終え、データ拡張を進めている。

今後の研究の推進方策

サーベイ実験に関しては、日本のデータを分析し英語論文としてまとめる予定である。またテキスト分析に関しては、データ拡張を完了したのちに再分析を行い、海外学会で再度報告したのちに、英文査読雑誌に投稿する。

次年度使用額が生じた理由

テキスト分析のデータ構築作業をより時間をかけて行ったほうが良いことが判明したため、次年度に助成金を延長することとした。テキストデータ構築のためのRA雇用のために利用される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Driving Forces of Diversification in Central Banks’ Functions: A New Dataset and Empirical Tests2022

    • 著者名/発表者名
      Kenya Amano and Masaaki Higashijima
    • 学会等名
      Annual Meeting of American Political Science Association
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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