• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

少数者の恐怖―グローバル化時代の新たなエスニック・リスクに関する学際的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K18419
研究機関長崎大学

研究代表者

滝澤 克彦  長崎大学, 多文化社会学部, 教授 (80516691)

研究分担者 コンペル ラドミール  長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (90528431)
伍 嘉誠  北海道大学, 文学研究院, 准教授 (90808487)
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
キーワードエスニック・リスク / マイノリティ / テロリズム / 暴力 / エスノスケープ
研究実績の概要

2022年度は、各メンバーが引き続き担当地域・テーマについての調査研究を継続するとともに、本テーマに関連する海外研究協力者との情報交換を行った。
滝澤は、現在のモンゴル国におけるエスニック・リスクとしてのナショナリズムの高まりについて文献資料を中心とする調査を継続すると同時に、外国に生活するモンゴル人のコロナ禍におけるヘイト・クライムの状況について米国を中心に調査した。また、日本に生活する移民の孤立とそのリスクを、「マジョリティ」として措定される「国民」の宗教意識および民族意識と関連付けて考察する研究も行った。
コンペルは、軍事占領下におけるエスニック・リスクについての文献調査を昨年度に引き続き実施し、その成果を国内外の学会で発表した。また、コロナ禍の状況とも関連付けながら、気候変動にともなうリスクの状況についても考察した。
伍は、コロナ禍の香港におけるバイオポリティックスと宗教の関係をとり上げながら、危機的状況下におけるマイノリティへの脅威に対して宗教の社会活動がどのような意義をもちうるかを分析し、その成果の一部を国際学会で発表した。
2022年10月27日には、ガジャマダ大学のイクバル氏を講師に、インドネシアの宗教的マイノリティに対する脅威としてのイスラーム過激主義をテーマにしたセミナーを実施した。そこで、インドネシアのテロリズム団体が存続しながらも非暴力化してきた経緯の分析を共有し、他地域のケースとも比較しながら情報交換と議論を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍の影響がいまだ残り、当初予定していた海外調査や国際外術交流を一部実施できなかった。

今後の研究の推進方策

2022年度までは、コロナ禍の影響で十分な調査や学術交流のための海外渡航を実施できず、オンラインを中心とした学術交流が中心となった。2023年度は、それを補いつつ、最終年度の研究成果とりまとめを行う。
メンバーは、それぞれの担当地域・テーマにおける調査を継続し、その成果を国際学会において発表する。
一方で、その他の地域におけるマイノリティへ向けられたテロリズム発生の経緯と背景、その波及的影響などについて海外研究協力者と情報交換しながら学術交流を深め、本研究の課題に関わる学際的・国際的議論のためのプラットフォームを構築する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍の影響により、当初の研究計画の内、科研メンバーによる現地調査や学術交流のための海外渡航に未実施のものがあるため、次年度使用額が生じた。それらの海外渡航は次年度に実施予定のため、次年度使用額分もそのために使用する予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 中国少数民族と漢族の間における格差2023

    • 著者名/発表者名
      翁 康健、清水 香基、伍 嘉誠
    • 雑誌名

      21世紀東アジア社会学

      巻: 12 ページ: 76-93

    • DOI

      10.20790/easoc.2023.12_76

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Impact of Extreme Weather Events in Wartime Okinawa2023

    • 著者名/発表者名
      Radomir Compel
    • 雑誌名

      多文化社会学研究

      巻: 9 ページ: 85-101

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Climate and Conflict: Lessons from the Past in East Asia2023

    • 著者名/発表者名
      Radomir Compel
    • 学会等名
      International Studies Association
    • 国際学会
  • [学会発表] 宗教とウェルビーイングをめぐる一考察 ―ベトナム人技能実習生死体遺棄事件の事例から―2023

    • 著者名/発表者名
      滝澤克彦
    • 学会等名
      東ユーラシア研究プロジェクト2022年度全体集会
    • 招待講演
  • [学会発表] Religion and Biopolitics in Hong Kong: Religious Responses to Government's Zero-Covid Measures2022

    • 著者名/発表者名
      Ng, Ka Shing
    • 学会等名
      The 4 th Annual Meeting of East Asian Society for the Scientific Study of Religion
    • 国際学会
  • [学会発表] 戦後日本における米軍基地の進展2022

    • 著者名/発表者名
      コンペル ラドミール
    • 学会等名
      日本地方政治学会・日本地域政治学会研究大会
  • [学会発表] Climate Security from Below, Philippine Political Science Association and International Political Science Association Research Committee on Security2022

    • 著者名/発表者名
      Radomir Compel
    • 学会等名
      Conflict and Democratization Conference on Peace Building and Conflict Transformation amid Covid‐19 Pandemic
    • 国際学会
  • [学会発表] 「本土並み」の沖縄返還と国政参加2022

    • 著者名/発表者名
      コンペル ラドミール
    • 学会等名
      長崎平和資料館連続公開市民講座「日本の現代史」
    • 招待講演
  • [学会発表] アジャ・リンポチェのグローバルな活動と世界のモンゴル人社会2022

    • 著者名/発表者名
      Takizawa, Katsuhiko
    • 学会等名
      International symposium on Buddhist Practices and Reincarnated Lamas in Contemporary Mongolia
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi