研究課題/領域番号 |
21K18419
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
滝澤 克彦 長崎大学, 多文化社会学部, 教授 (80516691)
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研究分担者 |
コンペル ラドミール 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (90528431)
伍 嘉誠 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (90808487)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | エスニック・リスク / マイノリティ / テロリズム / 暴力 / エスノスケープ |
研究実績の概要 |
2023年度は、各メンバーが引き続き担当地域において調査研究を継続し、その成果を国内外で発表するとともに、本研究課題を主題とする公開シンポジウムを開催した。 滝澤は、国内外のモンゴル人のエスニック・リスクや日本に生活する移民の孤立とそのリスクについて考察した。また、インドネシアでは、ガジャマダ大学なので宗教的マイノリティのリスクについて情報交換を行うとともに、インドネシアのキリスト教会を対象としたテロとその後の状況についてキリスト教会やイスラーム関連機関で聞き取り調査を実施した。 コンペルは、軍事占領下におけるエスニック・リスクについての文献調査を昨年度に引き続き実施した。特に、気象現象がそれらのエスニック・リスクに与えた影響も踏まえて分析し、その成果をIPSAなどの学会で発表した。 伍は、香港におけるキリスト教徒のリスク、香港から台湾へ移住した人びとのエスニック・リスクやそれに対する宗教団体の支援などについて調査し、その成果をEASSSR等の学会で発表した。 2024年3月には西日本宗教学会と共催で「多文化社会におけるリスクと宗教」と題する公開シンポジウムを開催し、ゲストスピーカーも招いて移民や難民などの抱えるリスクとそれに対する宗教の支援について議論を行った。 期間全体を通じて、日本、モンゴル、米国、香港および台湾において、それぞれ移民・難民や少数派宗教の信者などがさらされるエスニック・リスクの様態について調査・分析を行い、国内外の学会等での議論を通じて他地域との比較も行った。それによって、マイノリティにとって孤立が重要なリスク要因としてあることや、それに対応する様々な支援の一つとして宗教がある程度重要な役割を果たしていることなどを明らかにした。また、国外での学会発表やインドネシアでの調査などを通じて、本テーマに関わる国際的な研究ネットワークを構築した。
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