研究課題/領域番号 |
21K18427
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
渋澤 博幸 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70291416)
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研究分担者 |
櫻井 一宏 立正大学, 経済学部, 准教授 (20581383)
崔 明姫 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60734910)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | COVID-19 / 観光 / 経済効果 / 評価方法 / 調査 |
研究実績の概要 |
新型コロナウィルス感染症により,国内外からの観光需要が減少し,観光産業や観光地域は大打撃を受け,都市・地域経済にも影響を及ぼしている.ポストコロナの観光成長戦略に向けて,観光産業の早期回復,新たな観光形態,そして都市・地域経済のあり方が重要な課題となっている.本研究では,ポストコロナの観光成長戦略に向けた空間経済効果の計測方法を開発することを目的としている. 本年度は,公的統計などから,全国及び地域レベルの観光入込客数,宿泊者数や観光消費額について調査し,コロナ前後においてどのような変化が生じたのかについて分析を行った.我が国の全国を対象に観光需要を推計し,産業連関表と産業連関モデルを用いて,コロナ前後の経済的な影響や波及効果の計測と比較分析を行った.地域レベルでは,都道府県別の宿泊者数にどのような変化が生じているのかを分析した.緊急事態宣言,GoToキャンペーンなどの政策導入が宿泊者数に与える影響を調査し,宿泊者数と政策の関係を評価する統計的な分析モデルを開発した.各地域の観光需要の変化とその空間的な波及効果については,地域間産業連関モデルを用いた計測方法の開発を行った.観光関連事業所については,愛知県西三河地域を対象に実施されたアンケート調査に基づいて,経済的な被害と回復状況,政策の影響等について分析を行った.コロナ禍の九州地域を対象に,観光入込客数の現況,地域で取り組まれている観光支援策等について事例調査を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全国や都道府県を対象とした観光入込客数,宿泊者数,消費額等について,公的統計を利用した調査や分析は順調に進んでいる.空間経済効果については,地域間産業連関モデルの開発を進めている.観光関連事業所に対して実施されたアンケート結果の分析や災害後の観光産業への影響について,学会等で発表を行った.おおむね順調に進んでいるが,コロナの観光への影響が長期化している点を考慮する必要がある.
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今後の研究の推進方策 |
コロナ前後の地域における観光需要の変化を推計し,観光需要回復による地域への空間的な波及効果を計測する.具体的な地域に対して,産業連関モデルや統計的モデルの応用と分析を進める.家計の観光回復の現況,観光関連事業者の取り組み等の情報についてはアンケートやヒヤリングを実施する.観光関連事業所ではどのような経済的被害があり,政策支援が効果的であるのかについて分析を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の研究計画より,コロナの観光への影響が長期化していることから,国内外の観光の回復の状況に合わせて,調査,データの入手及びモデルの開発のスケジュールを調整して進める予定である.
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