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2021 年度 実施状況報告書

旧薪炭林の広葉樹資源の利活用による持続可能な社会の構築-食の視点からのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 21K18452
研究機関新潟大学

研究代表者

山口 智子  新潟大学, 自然科学系, 准教授 (70324960)

研究分担者 三亀 啓吾  新潟大学, 自然科学系, 准教授 (70571701)
筒浦 さとみ  新潟大学, 研究推進機構, 特任助教 (20708622)
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
キーワード広葉樹資源 / 健康機能性 / 抗酸化性 / ポリフェノール
研究実績の概要

本研究は、旧薪炭林の広葉樹資源の利活用に対する方策を食の視点から探究し、広葉樹の用途拡大による豪雪山間地集落の持続可能な社会の構築を目指すことを目的としている。未利用の広葉樹資源について、健康機能性や抗菌性のスクリーニング評価を行い、有効成分の特定、さらに実用化への試作など、健康機能性を有する食品や抗菌素材として食生活に利活用する可能性を探る。
初年度は、ブナ林に生育する多様な樹種から採集した20種の樹木葉について、健康機能性の指標として1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル(DPPH)ラジカルを用いたDPPH法による抗酸化活性の評価と、抗酸化性に寄与するポリフェノール含量をFolin-chiocalteu法にて測定した。また、ブナと芳香性を有する樹種として中高木のタムシバ及び低木のクロモジに着目し、この3樹種について、採集時期と部位による抗酸化活性の相違を明らかにするとともに、LC/MS、GC/MS、PDA-SEC測定により、有用成分の特定に向けた分析を行った。葉において季節を比較した場合、ブナの抗酸化活性以外は秋の方が有意に高値を示し、季節と樹種による変動の違いがみられた。PDA-GPC分析において、細枝ではリグニン系高分子化合物、葉では抗酸化活性に関与する長波長UV吸収化合物がみられ、部位による違いに影響していると考えられた。LC/MS及びGC/MS分析からは、葉では3樹種ともにカテキン類のピークがみられた。今後はカテキン類の同定・定量を行うとともに、これらの広葉樹資源を健康機能性を有する飲料として利用するための検討を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

健康機能性として抗酸化活性のスクリーニング評価を、20種の樹種を対象に実施できた。また、3樹種については、季節や部位による相違、有用成分の特定に向けた分析を行うことで、食品への利用に向けた有用な結果が得られたため。

今後の研究の推進方策

今後は、カテキン類の同定・定量を行うとともに、これらの広葉樹資源を健康機能性を有する飲料として利用する際に、加工による成分及び抗酸化活性の変化を調べるとともに、嗜好特性の評価を行う。また、他の健康機能性と抗菌性についてもスクリーニング評価を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍において、学会のオンライン化となったことや、現地訪問のための旅費が当初予定と異なった。また、マイクロプレートリーダーの納品がコロナ禍での部品不足により遅かったため、一部の測定方法を変更して行った。今後は当初の方法で測定を行う際の試薬等の購入により、さらに効率的な測定を実施するために使用を予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ブナ、タムシバ、クロモジにおける夏と秋の抗酸化成分の相違2022

    • 著者名/発表者名
      山口智子、石井みのり、増元りる花、三亀啓吾、紙谷智彦
    • 学会等名
      第133回日本森林学会大会

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公開日: 2022-12-28  

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