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2021 年度 実施状況報告書

支援プログラムの「しきい」を下げる:薬物使用者の求助行動とサービスアクセスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K18460
研究機関新潟県立看護大学

研究代表者

徐 淑子  新潟県立看護大学, 看護学部, 准教授 (40304430)

研究分担者 池田 光穂  大阪大学, COデザインセンター, 教授 (40211718)
諏訪 茂樹  東京女子医科大学, 看護学部, 准教授 (10299935)
酒井 幸子  東京女子医科大学, 看護学部, 非常勤講師 (70894054)
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
キーワード薬物使用 / ハームリダクション / 求助行動 / サービス利用 / 社会的偏見 / 周縁的集団
研究実績の概要

本研究では、「しきいの低いサービス」というアプローチを取り上げ、日本における薬物使用者他、偏見やスティグマの影響を受けやすい人たちのサービスアクセスの問題に取り組む。過去6年間の研究活動の中、研究代表者らは、従来の依存症からの「回復支援」という支援観を補完する「ハームリダクション」という概念を取り上げ検討してきた。本研究では、「ハームリダクション」についで「しきいの低いサービス」というアプローチに注目することにより、コミュニティ・ケアにおける、新しい支援観への道筋を開くことを目標とする。
2021年度は当該研究の初年次であり、研究計画で設定した4つの課題のうち、研究課題1「文献検討と基礎情報の収集」および研究課題2「デジタル・エスノグラフィーを含む調査方法の検討と体制構築」に取り組んだ。研究課題1については、これまでの研究にて収集した資料・情報を整理し、追加で必要となる情報を明確化した。日本およびヨーロッパにおける事例収集の準備として、分担研究者を追加し資料調査を行った。また、HIVや薬物使用にかかわる国内外の学会・実践家集会にオンラインで参加し、情報収集を行った。
研究課題2については、分担研究者・池田を中心に、デジタル・エスノグラフィーの手法について研究会を行い、研究代表者・徐は、2022年6月開催の日本保健医療行動科学会大会における研究発表を準備した。また、徐は、これまでの薬物使用者支援にかかわる研究の成果報告として単著を準備中であり、執筆内容に当該研究の成果を一部取り入れた。報道メディア(新聞および新聞社のウェブサイト)への取材協力(情報提供およびインタビュー)を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の研究計画からやや遅れている。その主な理由は、昨年度(2020年度)が最終研究年度となる予定であった別の研究課題(基盤研究C)をコロナ感染症流行による期間延長し、研究期間が一部重なったことによる。加えて、研究開始期間が2021年7月と年度中途よりの始まりであったことも予算執行の遅れの理由の一つとなった。本研究課題では、コロナ感染症の影響が長期化した場合をも想定した研究計画としており、研究活動そのものの著しい中断はなかったが、以上のような理由による時間的制約が生じたため、当該年度中の研究成果(論文公表や学会報告等)は少数にとどまった。

今後の研究の推進方策

コロナ流行の影響により、海外渡航を避けるべき状況が続いた場合には、デジタル・エスノグラフィーの手法を活用する。国内外へのフィールドワークが可能になった場合には、デジタル情報と対面調査の方法の混合研究法として研究を行う。2022年度は、2021年度に引き続き、サービス利用と求助行動に関連する概念および学説、先行研究の整理・検討を進め、論文投稿の準備を進める。デジタル・エスノグラフィーの手法について調査法としての限界、調査被害や研究倫理的問題点について検討する。また、研究課題3として設定している「国内外の「しきいの低いサービス」先駆的実践例の収集と分析」に着手する。ドキュメント分析および 実践者会議への参与観察、各種団体への訪問調査を行う。

次年度使用額が生じた理由

予算執行の遅れが生じた理由は、二つある。別の研究課題(基盤研究C)をコロナ感染症流行による期間延長し、研究期間が一部重なったこと。科研の採択スケジュールの変更から、研究開始期間が2021年7月と年度中途よりの始まりであったこと。この二つの理由により、時間的制約が生じ、デジタル機器等必要物品(コンピューターやIT機器、ソフトウェア等)の機種選定・購入を先延ばしした。本研究課題では、コロナ感染症の影響が長期化した場合をも想定した研究計画としており、研究活動そのものは、研究初年次に行う体制構築を含め、オンラインでの研究調整会議、オンライン上での資料収集などにより遂行した。研究の遅れを解消するために、研究分担者を2022年1月31日に追加した。また、当初計画では、デジタル調査と現地調査の混合を計画しており、順次を現地調査を計画遂行する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うちオープンアクセス 4件) 備考 (2件)

  • [国際共同研究] 延世大学(韓国)

    • 国名
      韓国
    • 外国機関名
      延世大学
  • [雑誌論文] 保健医療行動とは2022

    • 著者名/発表者名
      徐淑子
    • 雑誌名

      日本保健医療行動科学会雑誌

      巻: 36(suppl.) ページ: 6-9

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 社会的処方-ソーシャルワークとしての集団活動2021

    • 著者名/発表者名
      徐淑子
    • 雑誌名

      日本保健医療行動科学会雑誌

      巻: 36(1) ページ: 77-78

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 生きるための社会デザインを考える2021

    • 著者名/発表者名
      中川 義信、中岡 成文、西村 高宏、池田 光穂、山中 浩司
    • 雑誌名

      保健医療社会学論集

      巻: 31 ページ: 9~15

    • DOI

      10.18918/jshms.31.2_9

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 哲学カフェとコミュニケーションデザイン2021

    • 著者名/発表者名
      中岡 成文、西村 高宏、池田 光穂
    • 雑誌名

      保健医療社会学論集

      巻: 31 ページ: 16~25

    • DOI

      10.18918/jshms.31.2_16

    • オープンアクセス
  • [備考] しきい値の低いハームリダクションプログラム

    • URL

      https://bit.ly/3Pze6q4

  • [備考] 依存症を考える・連鎖-家庭影響傷つく子ども/苦しさ吐き出せる場を(新潟日報)

    • URL

      https://www1.niigata-nippo.co.jp/feature/izonsyou/series6/20211001649573.html

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公開日: 2022-12-28  

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