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2023 年度 実績報告書

言語とイメージの統合を促す学習方略“色と形”を活用した思考過程の可視化と質的分析

研究課題

研究課題/領域番号 21K18477
研究機関茨城大学

研究代表者

打越 正貴  茨城大学, 教育学研究科, 教授 (10764970)

研究分担者 宮本 浩紀  茨城大学, 全学教職センター, 助教 (00737918)
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
キーワード思考 / イメージ / 授業 / 可視化
研究実績の概要

本研究は、思考活動で働く言語とイメージの統合促進を目指し、学習方略“色と形”を活用した思考過程の可視化とその質的分析を行うものである。その主たる検討課題は、「文章記述は子どもの思考内容を可視化し得ているのか」という点にある。従来活用されてきた思考ツールは知識の整理や想起に焦点化され、他者による把握が難しい経験が思考過程に果たす役割については研究・実践の余地が残されている。本研究はその点の進捗を企図したものである。
2023年度は、特に、以下の二つの切り口で論文・著書を執筆した。一つは、すべての子どもが“表現しにくい思いや考え”を捉え、それをもとに思考内容の言語化を促す“思考指導のユニバーサル・デザイン”の実現を図るものである。具体的には、打越正貴・宮本浩紀・武藤裕子他「特別支援学級児における言語上の学習障壁の解消―ヴィゴツキー理論に基づくイメージを活用した思考と言葉の接合―」を執筆した。特別支援教育を受ける子どもたちに加えて、その教育に関わる先生方と同方法について検討を重ねることができたことにより、子どもたちの思考が可視化されやすい学級の雰囲気について把握することができた。
もう一つは、同方法を活用した授業づくりのまとめを図るものである。種々の論文・著書を執筆した中、主要なものとして、打越正貴・宮本浩紀『ことばをひきだす授業論―「色と形」で子どものアタマとココロが見えてくる―』があげられる。同書では、同方法の効果について紹介するだけでなく、逆に、その効果があがらない場合を見据えての授業づくり自体への考察も行った。特に、授業のどこをみればいいのかどうかについて、子ども・教師・教材等の各視点のポイントを提示することを心がけた。
以上のように、2023年度の成果は、学習方略“色と形”が効果的に活用される基盤づくりについて検討できた点に見出される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (4件) (うちオープンアクセス 3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 特別支援学級児における言語上の学習障壁の解消―― ヴィゴツキー理論に基づくイメージを活用した思考と言葉の接合 ――2024

    • 著者名/発表者名
      打越正貴・宮本浩紀・武藤裕子・鈴木陽子・横田沙織・小野美穂子・井本真弓・渡邊良江
    • 雑誌名

      茨城大学全学教職センター研究論集

      巻: ー ページ: 108-122

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 心理学におけるイメージ概念活用の前史 ― イメージは知覚か概念か経験か? ―2024

    • 著者名/発表者名
      宮本浩紀・打越正貴
    • 雑誌名

      茨城大学教育学部紀要(教育科学)

      巻: 73 ページ: 541-553

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 学校教育における学習とイメージ研究史の結節点 ―「イメージ論争」の帰結に着目して ―2024

    • 著者名/発表者名
      打越正貴・宮本浩紀
    • 雑誌名

      茨城大学教育学部紀要(教育科学)

      巻: 73 ページ: 527-540

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 社会的事象を多角的に考察し公正に判断する能力の育成と 授業におけるその学習評価の共有 ―社会科における生徒の「切実性」に依拠した認識の可視化を通して―2024

    • 著者名/発表者名
      打越 正貴
    • 雑誌名

      茨城大学教職大学院学校教育実践研究論集

      巻: 2 ページ: 17-26

  • [図書] 『ことばをひきだす授業論-「色と形」で子どものアタマとココロが見えてくる-』2024

    • 著者名/発表者名
      打越正貴・宮本浩紀
    • 総ページ数
      181
    • 出版者
      株式会社PUBFUN

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公開日: 2024-12-25  

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