研究課題/領域番号 |
21K18480
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐藤 貴弘 筑波大学, 体育系, 教授 (90862102)
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研究分担者 |
片岡 千恵 筑波大学, 体育系, 助教 (30642524)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 性教育 / 保健体育科教師 / 中学校 / 高等学校 / ビリーフ / 教師教育 / オンライン教育 |
研究実績の概要 |
令和3年度には、性に関する指導のビリーフに焦点を当てた教師教育オンラインプログラムの開発に向けて、中学校および高等学校に勤務する保健体育科教師を対象としたインタビュー調査を実施し、性に関する指導を担当する教師としての意識や課題を明らかにした。そのためにまず、調査方法およびインタビュー項目の検討を行い、研究倫理委員会に申請し、承認を得た。そして、研究対象者へ調査協力を依頼し、約10名から同意を得た。令和4年2~3月に、半構造化面接法によるインタビュー調査を実施し、得られたデータの逐語録を作成した。さらに、本データの信頼性を担保するために、研究対象者に対して逐語録の確認を依頼した。データの分析の結果、保健体育科教師は性に関する指導に必要な知識はおおむね有しているものの、包括的な性に関する指導を実践していくことに困難を感じていることが示された。したがって、性別、ジェンダー、Lesbian Gay Bisexual Transgender Queer (LGBTQ)、障害などの概念を取り扱うことに関して、教師の性に関する指導に対する羞恥心や障壁を軽減していくことが重要であることが示唆された。また、生徒の生活環境等を把握しながら、個に応じた指導を一層進めていくことも大切であると思われた。そうした視点を踏まえた性に関する指導の教師教育プログラムが必要であることが明らかとなった。 令和3年度にはまた、来年度に開発予定の教師教育オンラインプログラムについて、そのプラットフォームを準備した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度は計画通り、性に関する指導のための教師教育オンラインプログラムの開発のために必要なデータを、インタビュー調査から得ることができた。また、教師教育オンラインプログラムのためのオンラインウェブサーバーを構築し、そのプラットフォームができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後はまず、インタビュー調査から得られたデータの分析結果を吟味し、保健体育科教師が抱える性に関する指導の課題について明らかにする。本結果については、国内および国外での学会にて発表するとともに、国際誌への論文を執筆し、投稿する予定である。また、教師教育オンラインプログラムのサーバーの充実を図り、教材等のコンテンツを作成する。さらに、教師教育オンラインプログラムの有効性の検討のための調査の実施に向けた準備を進める。具体的には、アンドラゴジー(アダルトラーニング)理論に基づいた調査項目を作成・検討し、研究倫理委員会に申請する。調査は、半構造化面接法によるインタビュー調査を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は,新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために,参加予定の学会大会がオンライン開催となり,国内旅費が生じなかった。翌年度は,オンライン教師教育プログラムを作成し,インタビュー調査の実施によりその効果を検討するため,主にサーバーの構築・充実やデータ入力・資料整理のための人件費等に助成金を使用する予定である。
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