研究課題/領域番号 |
21K18490
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
北村 友人 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (30362221)
|
研究分担者 |
草なぎ 佳奈子 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任助教 (00777873)
栗田 佳代子 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (50415923)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
キーワード | SDG4.7 / ESD / 評価 / グローバル市民性教育 |
研究実績の概要 |
本研究では、SDG4.7に掲げられている目標に関して、その成果を評価するための枠組みの構築や指標開発を目指している。当該年度においては、SDG4.7の中でも特に「持続可能な開発のための教育(ESD)」に関する理論的な議論の潮流をレビューした論考を発表した。また、SDG4.7を実現していくために必要な教育実践のあり方について、授業研究を中心に検討した。 また、指標開発については、以前に横浜市教育委員会と連携して横浜市のESD推進校において実施した質問紙調査の結果を踏まえ、必要な指標についての検討を行った。こうした作業の一環として、横浜市で行った調査の結果を学術論文としてまとめ、発表した。 さらには、SDG4.7において焦点化されている教育の持続可能性について、中国の国境付近の学校教育を事例として考察を行い、学術論文として発表した。 これらの作業と並行して、グローバル化と教育に関する学術書の翻訳を行い、本研究課題を考究するうえで必要な基礎文献の整備を行った。本書の刊行も、本研究プロジェクトの成果として考えることができる。 本研究の実施にあたっては、カンボジア、インドネシア、日本(横浜市)などを事例研究の対象として取り上げ、そのためにカンボジアの教育・青年・スポーツ省や王立プノンペン大学教育学部、インドネシアの現地NGO、横浜市教育委員会といったパートナーと連携している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の成果を、学術論文として国内外で発表しており、おおむね順調に研究が進展していると考えられる。コロナ禍で現地調査が難しい時期があったが、調査対象地のカンボジアの状況が落ち着いてきたため、少しずつ調査を進めることができていることも付記しておきたい。
|
今後の研究の推進方策 |
学術論文の執筆を継続すると共に、本研究の事例研究をカンボジアで実施する予定である。カンボジアの教育・青年・スポーツ省ならびに王立プノンペン大学教育学部と連携をして、SDG4.7の進捗をモニタリングし、それらを踏まえた政策提言をまとめる予定である。加えて、横浜市教育委員会と連携して行っているESD推進校でのモニタリング・評価も継続して行っていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本研究の事例研究の対象国であるカンボジアは、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて現地調査を実施することが難しい状況にあった。また、国際共同研究を実施している国連教育科学文化機関(ユネスコ)のバンコク事務所も、コロナ禍の影響を受けて、十分な研究を行うことが難しい状況であった。このような状況を踏まえ、次年度に現地調査の実施を延長する必要があったため、次年度使用額が生じた。 上記の理由から、カンボジアにおける現地調査のための費用と、ユネスコとの共同研究に係る経費が、次年度の使用計画の内訳となる。
|