研究課題/領域番号 |
21K18502
|
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
大島 純 静岡大学, 情報学部, 教授 (70281722)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
キーワード | 知識創造型学習 |
研究実績の概要 |
本研究は,研究代表者(大島純)と, Univ. of HelsinkiのProf. Kai Hakkarainen,Univ. of Wisconsin at MadisonのProf. David W. Shafferを国際研究協力者として迎え,3名で実施する.大島は,これまで学習者の対話場面で,共起する重要単語の関連性に着目した社会ネット ワーク分析を開発し,知識創造実践の「アイディアの変遷」を捉える分析手法を提唱している.Prof. Shafferのチームは,詳細なエスノグラフィー研究に基づく,対話のコード(文化的意味)の共起をネットワークとして表象 するEpistemic Network Analysisを提唱している.また,言語データと同時に表出される身体的行為や創出される人工物などを加味した時系列分析の重要性をProf. Hakkarainenのチームは強調し,Making-Process-Rug Video Analysisを提唱している.これら,異なる分析アルゴリズム が持つ長所と短所を適切に比較検討するためには,同一のデータセットを共有し,それぞれの分析手法で分析し,その結果を議論する必要があ る.そこで本研究では,フィンランド,アメリカ,日本で展開する知識創造型学習の分析アルゴリズムの研究を,それぞれのチームが展開する 実証研究で収集するデータを英訳して共有し,各自の分析アルゴリズムで分析,その結果を研究ミーティングで共有議論するサイクルを展開し ,最終的な知識創造型学習分析アルゴリズムを構築する.第一年度は,お互いの発表論文で利用したデータセットを共有し,その分析結果を議論した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今回の3年度計画の中で,第一年度はそれまでの共同研究の進捗を適切に把握することがメインとなっているので,オンラインでのコミュニケーションに基づいて順調に進展している.具体的には,これまでのデータを共有し,英語化したデータセットを共有して,お互いの分析手法を試行してみた.その結果は,2022年の国際会議で採択され発表予定である.
|
今後の研究の推進方策 |
令和四年度以降,COVID-19に基づく制約が緩和されつつあり,予定通りの計画を進めていくことができると考えている.会が出張が可能となれば,大島はフィンランド,ウィスコンシンを訪問し,共有するデータセットを元に,それぞれが試行した分析結果を議論することで,総合的な解析の枠組みついての対面での議論を展開する.
|
次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19を原因とした海外出張の制約があり,そのために予定していた支出が繰り越された.今後その予算を翌年度の国際会議および海外出張で支出する予定である.
|