研究課題/領域番号 |
21K18506
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
鈴木 広隆 神戸大学, 工学研究科, 教授 (60286630)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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キーワード | グラフィクスリテラシー / 投象・投影 / CG / 折り紙 / 4次元 / 教育コンテンツ |
研究実績の概要 |
本年度は、サブテーマ(A)「平面の充填パターンDB(データベース)構築と折り紙加工の可能性」に関しては、本学で提供している文系理系学生を対象とした科目「カタチの自然学AB」において、平面充填や折り紙を活用した行灯を提出課題とした。さらに、工学部建築学科及び市民工学科向けに提供しているCG科目(「図学演習2」「グラフィクスリテラシーD」)において、プログラミングで平面充填をデザインする課題を設けた。 サブテーマ(B)「4次元形状を投象した3次元形状DB構築とその活用方法の検討」に関しては、4次元形状を投象した3次元形状の行灯や抽象作品を提案し、論文にまとめ、また作品展示を行った。具体的には、超立方体や四角錐をベースにした超角柱を3次元に投象した形状の一部に面を貼って行灯としたり、超立方体の稜2本と対角線1本にテンション材を用いたテンセグリティ構造の作品を製作した。 サブテーマ(C)「カリキュラム作成とフィードバック」に関しては、4次元の形を分かりやすく説明するためのCG動画教材を作成して「カタチの自然学AB」内で活用した上、「カタチの自然学AB」における授業評価アンケートの内容を分析した。同様に、「図学演習2」「グラフィクスリテラシーD」でも授業評価アンケートの内容を分析した。 新型コロナウィルス感染症のため、海外大学で同様の授業を行いフィードバックを得る活動に関しては進んでいない。令和4年度に関しては、仮に渡航して対面授業を行うことが不可能であったとしても、オンラインで講義・演習を行い、フィードバックを得たいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルス感染症のため、海外大学で同様の授業を行いフィードバックを得る活動に関しては進んでいないが、これは不可抗力であり、それ以外は概ね順調に進んでいる。令和4年度に関しては、仮に渡航して対面授業を行うことが不可能であったとしても、オンラインで講義・演習を行い、フィードバックを得たいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
進捗は、概ね研究計画通りである。このため、サブテーマ(A)については、紋様の歴史と文化の情報を収集する。特に、実際に授業を行ってフィードバックを得るリトアニアの紋様については、重点的に情報を収集することとする。 サブテーマ(B)については、令和3年度に提案した形状をベースにDBの内容を一層充実させるとともに、実際のデザイン・ものづくりへの活用を行う予定である。形状の表現に当たっては、外殻の面表現、稜のみの線表現、稜の一部を引張材として上部を浮遊させるテンセグリティ構造表現など、あらゆる表現方法を視野に入れて可能性を検討するものとする。 サブテーマ(C)については、令和3年度の検討を踏まえてカリキュラムを改善する。また、海外の大学で授業を行い、アンケ ート調査により学生の評価を受け、さらに内容を再検討する予定である。日本と海外大学の学生の評価の違いについても明らかにすることとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症のため、国際会議での発表やアルバイトによるデータ入力が困難となったため。データベース作成に関しては、グラフィクスリテラシー教育に関する情報を収集して書籍を出版するなど、代替の方法を模索する。
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