研究課題/領域番号 |
21K18513
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
鷹岡 亮 山口大学, 教育学部, 教授 (10293135)
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研究分担者 |
松岡 勝彦 山口大学, 教育学部, 教授 (70312808)
中田 充 山口大学, 教育学部, 教授 (60304466)
柴田 勝 山口大学, 教育学部, 准教授 (30300560)
青木 健 山口大学, 教育学部, 准教授 (60332938)
須藤 邦彦 山口大学, 教育学部, 准教授 (70533694)
宮木 秀雄 山口大学, 教育学部, 准教授 (30710785)
堤 健人 山口大学, 教育学部, 講師 (30880140)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 遠隔TT(Team Teaching) / 遠隔TTの支援形態と方法 / 遠隔TT支援環境の開発と試行実践 / 遠隔支援能力向上プログラムの開発 |
研究実績の概要 |
我が国の教師の授業力によって学習者の学びが保障されているが、Society5.0時代に対応可能な人材育成という観点では、ICTを便利な道具だけでなく成長のパートナーとして活用できる資質・能力を育成することは急務である。そこで本研究では、小中学校における教室での対面(遠隔)授業に対して、学習支援者が遠隔からコンピュータを活用して児童・生徒の学びを支援する学習環境と支援手法を探究することを目的とする。具体的には、①授業における遠隔TT(Team Teaching)の支援形態と支援方法の整理、②遠隔TTを実施する授業・学習支援環境の設計・開発と試行実践、さらに③遠隔支援能力の整理と遠隔支援能力向上プログラムを開発することに焦点化して研究を進める。本研究の意義は、タブレット端末1人1台に伴う個別最適化を具現化する1つの支援手法を提案することにある。 令和4年度は、以下の研究項目を遂行した。 (1)対面(遠隔)授業における遠隔TTの支援形態と支援方法の整理・分類:令和3年度に実施した教科・学習活動における遠隔TTの支援形態と支援方法の整理に関して、分類した教科・学習活動に依存する部分と一般的な遠隔TTの方法に対して再整理を行った。 (2)教師と学習支援者が連携して児童生徒に指導できる遠隔TT支援環境の開発(一部):「遠隔TT支援環境サーバ」に関して、クラス児童・生徒や学習支援者のアカウント登録機能とクラス選択機能の開発を行った。また、時間・非同期で学習内容と遠隔TTの方法の打合せが可能な学習活動や学習支援活動を構成要素とした「遠隔TTフローツール」、学習支援者と児童・生徒がホワイトボードを介してインタラクションができる「遠隔TT対話ツール」の基本機能を設計して業者委託で実装した。 (3)遠隔教育における遠隔支援能力の整理:遠隔教育と遠隔TTが実施できる遠隔支援能力について整理を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
現在(令和4年度)までのところ、対面(遠隔)授業における遠隔TTの支援形態と支援方法の再整理、そして遠隔支援能力の整理と教員養成学部における遠隔支援向上プログラムの検討を行ってきた。また、教師と学習支援者が連携して児童生徒に指導できる遠隔TT支援環境の「遠隔TTフローツール」、「遠隔TT対話ツール」、「教師見とりツール」設計を行ってきた。 しかし、コロナ禍等の影響もあり、研究内容を一部変更したり、あるいは今年度実施することができなった授業実践もあった。特に、遠隔TT支援環境のうち、「教師見とりツール」の設計・開発が進められなかった。さらに、遠隔TT支援環境の開発が遅れたため、これらの環境を活用した附属学校等における遠隔授業や遠隔TT支援の取り組みが実施できなかった。また、同様に遠隔TT支援環境を活用した教員養成学部における遠隔支援向上プログラムの設計と授業実践を進められていない状況にある。 以上の進捗状況を踏まえ、対面授業における遠隔TT支援環境と遠隔支援能力向上プログラムの開発と試行実践を実施する本研究は、現時点で「遅れている」と判断している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度(令和5年度)は、次の3つの研究項目を遂行する予定である。 ①教師と学習支援者が連携して児童生徒に指導できる遠隔TT支援環境の機能改善と機能追加:「教師見とりツール」の設計・開発と遠隔TT支援環境との接続部分について設計・開発する。また、開発された遠隔TT支援環境の試行実践から必要な追加機能と改善すべき点を抽出して対応する。 ②教員養成学部における遠隔支援向上プログラムの開発:遠隔TT支援環境を活用した遠隔遠隔支援能力を育成するための教員養成学部における遠隔支援向上プログラムを設計して、授業実践を試行する。 ③附属学校等における遠隔TT支援環境を活用した授業実践の設計と実施:附属学校等において、開発した遠隔TT支援環境を活用した試行的な授業実践を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由については、コロナ禍の影響もあり、①遠隔TT支援環境の基本機能は実装したが、その支援環境を活用した遠隔授業実践や遠隔TT支援の実践をすることができなかったこと、また②それらの活用実践についての研究成果発表ができなかったことが原因である。次年度の使用計画については、遠隔TT支援環境の指向実践を通して問題点を整理し、支援環境の修正や追記機能を実装する予定である。さらに、そこでの成果を研究会や全国大会等で発表することにする。
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