研究課題/領域番号 |
21K18518
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研究機関 | 公立はこだて未来大学 |
研究代表者 |
竹川 佳成 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (60467678)
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研究分担者 |
平田 圭二 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (30396121)
松原 正樹 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (90714494)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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キーワード | 学習支援 / 技能 / 機械学習 |
研究実績の概要 |
本研究の目的はHCI(ヒューマンコンピュータインタラクション)技術および機械学習を統合した技能忘却モデルの構築およびAI学習支援基盤の構築である.ピアノ・書写・イラストなどの身体を伴う技能の習得には多大な時間と労力がかかる.しかし,技能を習得した後に,練習しなくなると,技能は徐々に衰退し,最終的に忘却(習得した技能ができなくなってしまうこと)する.そこで本研究は初心者を対象とした技能忘却モデルの構築をめざす.このために,イラストを対象にしたデータセットを構築した.具体的には,イラスト描画初級者15名に対して,幾何図形から構成される3種類のイラストに対して,5日間連続して20分練習してもらった後,テストを受講してもらった.練習しないことによる技能衰退の変容を観測するために,課題習得後に1日1度だけ課題を実施してもらうタスクを5日間連続して実施した.本実験を実施するために,タブレット上で描画データ(軌跡および時間)を取得できる実験システムを開発した.これらのデータセットを活用することで,「練習しない期間がどれだけ続くと,習得した技能がどのように衰退していくのか」を解明できる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は技能忘却データセット構築を目標としていた.データセットの構築システムはほぼ完了し,当初予定していた期間よりも5日ほど短いがデータセットの構築を完了した.次年度は,本システムを使って長期間のデータを意欲的に取得していきたい.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,イラスト描画を対象にした技能忘却モデルの構築およびそのAI学習支援技術の開発をめざす.また,イラスト描画以外に,例えば,楽器演奏におけるリズム習得(ポリニズム)を対象にしたデータセットの構築も実施する予定である.イラストは課題イラストを視覚で確認し,動き(描画)として再現するという行為である一方,楽器演奏,特にリズム習得は,聴覚および視覚で動きを再現するという点で異なる.また,両手や指を独立に制御したりするという点でも異なる.AI学習基盤技術としては,技能衰退予報技術(現時点保有するスキルで,練習しなかった場合における,今後の衰退度予想を効果的に提示する技術)などを開発していく.加えて,イラスト描画を対象とした技能忘却データセットおよびそのモデル構築に関する成果発表を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルス感染拡大の影響で,データセット構築のための被験者実験が当初の予定を縮小せざるを得なかった.被験者実験は,翌年度に実施する予定である.
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