研究課題/領域番号 |
21K18520
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研究機関 | 東京家政大学 |
研究代表者 |
米津 亮 東京家政大学, 健康科学部, 教授 (50363859)
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研究分担者 |
田中 亮 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (50454880)
田中 繁治 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助教 (50817666)
岩田 晃 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 教授 (90382241)
小栢 進也 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (90611426)
井上 優 吉備国際大学, 保健福祉研究所, 準研究員 (90726697)
清水 順市 東京家政大学, 健康科学部, 教授 (10126584)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 脳卒中片麻痺 / リハビリテーション教材 |
研究実績の概要 |
コロナウイルス禍の影響により、リハビリテーション教育の根幹となる実技指導教育に対応できる教育教材の開発が急務である。そこで、脳卒中片麻痺者の足関節背屈運動に対する抵抗感に焦点を当て、オンライン下で実施できるリハビリテーション教材の開発に展開できる研究シーズの確立を目的に研究を展開する。 当該年度は、研究者全員でのオンライン会議等を通し、ヒトの運動を「速度」と「重心」から「ヒトのバイオメカニクス」の根幹を捉え直すと同時に、中枢神経系疾患の病態に応じたリハビリテーション機器に関する工学的知見、また通信システム連携などについても専門的知識を有した講師を招いた勉強会などを実施した。これらの活動から、理学療法士と理学療法士を志す学生による足関節背屈運動の操作特性に焦点を当てた解析研究を進めてきた。具体的には、操作を加える被験者の足底部4カ所(踵部、第1足根骨、第3足根骨、第5足根骨付近)に圧センサーを貼付し、介入者の操作特性の特徴を把握した。この解析研究より、操作技術が未熟と思われる学生の操作では前足部の1カ所に力が集中していたが、理学療法士では前足部全体に均等な力を加えている特徴を確認するに至った。そして、このような操作により介入姿勢にも変化が生じることを明らかにした。この部分に焦点を当てることで、足関節の背屈運動に抵抗を感じる脳卒中片麻痺者を対象とした教育教材開発の研究シーズを見いだせると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
開発しようとする教材は、現存するものがないため、そのコンセプトの確認を含め、斬新な発想に基づき具現化しようとするものである。このような観点を研究チームで確認しながら定期的な会議で意見交換し、学生の操作技術の定量化からその方向性を確認するに至った点は大きな成果と思われる。しかし、より研究活動として開発を具現化するためには基礎的知見を収集する必要があり、データの裏付け作業を行う必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、まず健常成人を対象にした足関節背屈運動の操作特性の定量化が必須である。このため、具体的な計測方法の確認なども含め意見交換し、研究を進める。一方で、脳卒中片麻痺者への応用も見据えた実験を企画し、最終年度への教材開発への基盤形成に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染症の拡大により、対面での会議開催が困難であったこと、また学生を対象とした実験実施に制約があり、研究活動を進めることに支障が生じた。このため、令和4年度の研究計画では、感染状況を注視しながら積極的に学生を被験者とした実験計測を行い、適正な予算執行に努める。
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