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2022 年度 実施状況報告書

実験等を含む教科において資質・能力の育成を目指す「戦略的失敗」の教育的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K18537
研究機関岐阜聖徳学園大学

研究代表者

寺田 光宏  岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (40514641)

研究分担者 吉岡 亮衛  国立教育政策研究所, その他部局等, 客員研究員 (40200951)
今井 泉  東邦大学, 理学部, 教授 (80711390)
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
キーワード科学教育 / 戦略的失敗 / 資質・能力
研究実績の概要

「失敗」は一般的に否定的な面をもつが,それを活用する失敗学(畑村,2000)が提唱されたり,教育心理学(例:市川,2019)や一部実践でも学習者に対する失敗の重要性が認知されてきている。一方,学校教育において大きな危険性を伴う実験や観察・ものづくりなど(以下:実験等)を含む学習活動における学術的に失敗の教育的な意義は明らかにされていない。
本研究の目的は実験等を含む教科等における資質・能力の育成を目指し,失敗を資源として捉え意図的に失敗をさせる「戦略的失敗」の教育的意義を明らかにすることである。
「戦略的失敗」とは,次の3点からなる。①回避力:実験などにおいて失敗を回避できるように,実際に失敗を事前に経験して,類似な事態において失敗を回避できる力②活用力:生産的失敗に代表されるように,未来に向けての学習的なものである。具体的には,当該学年では学んでいない難しい課題に取り組み,失敗を通して,学びを広く,深くすることが可能になり,教員からの指導をよく理解できるようになることを,失敗を活用できる力③回復力:レジリエンスといわれることで,失敗から回復できる力である。これは,教師などの指導者の指導の問題と非常に深い関係がある。このように研究フレームを確定した上で,①②③を開発しその有効性を検証することと,これらを含む失敗観を日本独特なモノかを、世界的に共通な点があるのかを明らかにするために,日本とドイツで調査をする予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実験などにおける③回復力は,一部内容を査読論文として掲載された。②活用力は,小学校理科6年生の月の見え方において,生産的失敗としての授業をデザインし,実践,評価して,論文としてまとめ,現在,投稿準備中である。①回避力を含む②③について,日本とドイツとの教師,生徒の失敗観を調査がコロナ禍もあり,まだ実施できていない。

今後の研究の推進方策

実験などにおける失敗に対しての①回避力を含む③回復力②活用力について,日本とドイツとの教師,生徒の失敗観の調査について,対面的な実験などが可能となり,まず国内の予備調査を始めている。それに加え,コロナ禍も一段落したので,ドイツでの調査を調整し計画している。

次年度使用額が生じた理由

実験などにおける失敗に対しての①回避力③回復力②活用力について,日本とドイツとの教師,生徒の失敗観の調査について,国内の予備調査において,対面的な実験などがまだ難しかったため,十分に行えなかった。また,これに加え,比較のための,ドイツでの調査もまったく手を付けられなかったためである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [国際共同研究] IPN:キール大学附設自然科学教育研究所(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      IPN:キール大学附設自然科学教育研究所
  • [雑誌論文] 理科学習における資質・能力としての粘り強さについての一考察 ―困惑状況を生起させる方法の開発―2022

    • 著者名/発表者名
      前田 光哉, 寺田 光宏
    • 雑誌名

      理科教育学研究

      巻: 63 (2) ページ: 445-453

    • DOI

      10.11639/sjst.B21010

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2023-12-25  

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