カナダ在住の日本ルーツを持つ成人7名(Cis-Female 7名)を対象として、60~120分の面接調査を行い、衝動性を示すエピソード、および行動力を示すエピソード等について聴取した。聴取内容の逐語データを分析した結果、「衝動性」と「行動力」は、行動の形態や反応潜時の短さ、熟慮不足といった従来の定義では区別されておらず、「他者の人権の保護」が動機であり、かつ、それ自体が他者の人権を侵害しないと認識された行動は行動力の表れ、そうでない行動は衝動性の表れとしてモデル化された。日本とカナダの子育て・教育における差異、すなわち文化的差異についても、研究協力者7名全員から言及があった。
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