研究課題/領域番号 |
21K18554
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
平井 真洋 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (60422375)
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研究分担者 |
永田 雅子 名古屋大学, 心の発達支援研究実践センター, 教授 (20467260)
木村 亮 京都大学, 医学研究科, 講師 (20636641)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / ウィリアムス症候群 / 疾患間比較 / 社会性 / 感覚 / 発達 |
研究実績の概要 |
本研究では,社会性が異なるとされる自閉スペクトラム症(ASD)児者ならびにウィリアムス症候群(WS)児者を対象に,両者において共通に報告されている感覚特性の非定型さが社会的認知特性とどのような関係にあるかを質問紙・実験心理学的手法を組み合わせて多角的に明らかにする.当該年度においては,両者の感覚特性を明らかにするために,感覚特性に関する質問紙の取りまとめをおこない,両者の詳細な感覚特性を明らかにすることを試みた.結果,両者で類似した感覚特性を示すことを明らかにし,発達による変化も明らかとなった.現在,この結果を論文としてまとめている.この結果を踏まえ,研究計画書に記載した感覚特性計測の実験ならびに社会的認知課題に関するシステム構築の準備を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は,自閉スペクトラム症(ASD)ならびにウィリアムス症候群(WS)児者における感覚特性を検討するため,養育者を対象とした質問紙による調査の取りまとめを実施した.結果,両者の感覚特性においては異なる部分も認められるものの,類似した性質があることを見出した.また,発達により感覚特性が変化することを見出し,本研究成果を論文としてまとめている.また,次年度以降に実施の感覚特性を計測するためのシステム構築準備ならびに実験課題準備を進めている.構築したシステムにより予備実験を対面で実施する予定であったが,新型コロナウイルス感染症感染拡大により十分実施することができなかった.感染が収束次第予備実験を実施する.
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今後の研究の推進方策 |
昨年度実施した感覚特性質問紙の結果を踏まえ,研究計画に記載した研究項目を実施する.また,昨年度の感覚データに関する解析を更に進め,各群においてどのようなクラスターが出現するかについても検討する.見いだされたクラスターが群間で相違があるのかについても検討する.現在開発しているシステムを早急に完成させ,本システムを用いた予備実験を実施する.これにより実験のパラメータを確定し,感覚特性と社会的認知特性の関係を目指す.また,本年度実施した質問紙では,同一群においても感覚特性に個人差を見出した.これを踏まえ,群内の感覚特性の個人差にも着目した解析を進めていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症感染拡大に伴い,打ち合わせなどの旅費に関する経費を使用しなかった.また,予備実験の実施において使用を予定していた研究協力者への謝金についても使用しなかった.これらの予算については次年度の謝金へと充てる予定である.
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