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2023 年度 研究成果報告書

無意識の記憶を制御する神経メカニズムの解明

研究課題

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研究課題/領域番号 21K18564
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分10:心理学およびその関連分野
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

渡部 文子  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00334277)

研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
キーワード情動 / 可塑性 / 脳幹 / 扁桃体 / マウス
研究成果の概要

快・不快といった情動は生存にとって重要であり、情動記憶研究は世界中で活発に進められている。従来の研究では、情動記憶における無条件刺激の経路として大脳皮質による高次処理を介した経路が注目されてきたが、我々は脳幹から扁桃体へのボトムアップ経路が無条件刺激として機能し、人工的な嫌悪記憶を形成することを明らかにした。また、視床から扁桃体経路による記憶制御と抑制性修飾を見出した。さらに、脳幹から視床下部や腹側被蓋野経路でも人工的記憶を形成することを明らかにし、関連する神経修飾因子の特定や、経路・細胞種特異的な機構を発見した。本成果は、神経科学に加え基礎医学や心理学の分野の発展に貢献することが期待される。

自由記述の分野

神経生理学

研究成果の学術的意義や社会的意義

過去の経験を記憶しその後の行動を適応的に調節することは動物の生存に重要である。
情動制御に重要な扁桃体には脳幹からの直接経路と視床や皮質からの間接経路による入力がある。本研究では、直接経路の人工的操作による記憶が通常の恐怖記憶と異なる性質を見出し、皮質からの信号とは異なる制御を受ける可能性が示された。また、視床から扁桃体への経路ではポストシナプスの細胞内シグナル系の関与をあきらかにした。さらに、扁桃体以外の皮質下領域への直接経路による人工的な記憶操作にも成功し、記憶の多階層による制御メカニズム解明に貢献した。将来的には、記憶障害やストレス関連障害などの治療法開発に繋がる可能性も考えられる。

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公開日: 2025-01-30  

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