研究課題/領域番号 |
21K18580
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
坪井 俊 武蔵野大学, 工学部, 教授 (40114566)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 実解析的作用 / 実解析的多様体 / 実解析的微分同相群 |
研究実績の概要 |
U(1)作用をもつ4次元多様体で実解析的微分同相群の恒等写像成分が完全群であるかどうかが問題であった複素射影平面について、実解析的微分同相群の恒等写像成分が完全群であることを示し、武蔵野大学数理工学センター紀要第9号に「複素射影平面の実解析的微分同相群」として発表した。証明には、複素射影平面の半自由U(1)作用も、多重軌道を持つU(1)作用も利用できることを明らかにした。さらにn次元複素射影空間について、実解析的微分同相群の恒等写像成分が完全群であることを示した。これについての論文を作成中である。n次元複素射影空間に対しては超平面切断を用いて実解析的バーコフ切断を作ることができることが証明の鍵となった。この証明を吟味して半自由U(1)作用に対しての実解析的バーコフ切断の定義を明らかにすることができた。これについて2022年10月21日~10 月22日にオンライン開催された葉層構造論シンポジウム、2022年10月31日~11月4日にブラジル・リオデジャネイロでハイブリッド開催されたGeometry&Topology国際会議(Paul85Conference)にて講演した。 この研究にはPCを購入し活用した。昨年度研究室に設置した電子黒板型情報端末を情報交換のために有効に使った。関係する図書を購入し関係する結果の概要を把握した。引き続き研究事務補佐のため2週間に1日事務補佐員を雇用し、物品購入などをスムースに進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実解析的U(1)作用のブローアップについて、また半自由U(1)作用に対する実解析的バーコフ切断の定義についての研究が進展した。得られた成果の一部を出版し、また内外の研究集会で講演した。 徐々に対面の研究集会が開催され、新しいアイデアをいろいろな研究集会で議論し吸収できるようになってきた。オンラインによる研究交流は続くことになり電子黒板型情報端末は非常に役立っている。
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今後の研究の推進方策 |
実解析的U(1)作用のブローアップについて、また半自由U(1)作用に対する実解析的バーコフ切断の定義についての研究をまとめる論文の完成に注力し、さらに一般のU(1)作用にアプローチしていく。引き続き、これまでの成果をできるだけ多くの場所で紹介し、より広い分野の研究者と交流し、新しいアイデアを議論し吸収する。これはこれまでの研究方針と同じであるが、問題はないのでこのまま研究を続ける。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末の旅行を都合がつかず取りやめたため。 次年度に旅費として使用する。
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