研究課題/領域番号 |
21K18585
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
竹村 彰通 滋賀大学, 役員, 学長 (10171670)
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研究分担者 |
宮部 賢志 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (00583866)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 確率微分方程式 / マルチンゲール / オルンシュタイン=ウーレンベック過程 / ゲーム論的確率論 |
研究実績の概要 |
本年度の研究ではオルンシュタイン=ウーレンベック過程を近似する離散マルチンゲールを与えた。本研究の主題であるゲーム論的確率論では、様々な確率論の定理に対し、表立って測度を使うことなく、具体的なマルチンゲールを構成することで証明を与える。オルンシュタイン=ウーレンベック過程などの確率微分方程式は確率論において主要なトピックの1つであり、これまで多くの研究がなされてきた。そのような連続時間を含む主張に対して、ゲーム論的確率論では離散マルチンゲールの極限を用いる。一般の確率微分方程式に対応する離散マルチンゲールの構成方法についてはこれまで知られていなかった。最近は連続時間確率過程の1つであるオルンシュタイン=ウーレンベック過程に対応する具体的な離散マルチンゲールを与える研究に取り組んでいる。具体的には二項係数の逆数の和を使ったマルチンゲールや,その和として書けるマルチンゲールなどが対応することを示した。更にこれらの手法を使ってEFKP型の重複対数の法則のSharpnessが導かれることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はランダムウォークおよびブラウン運動の発散速度をゲーム論的確率論において示すのに有用な離散マルチンゲールを具体的に与えることに成功した。特に二項係数の逆数の和を使ったマルチンゲールは広い応用範囲を持つと期待している。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度得られた離散マルチンゲールに関する結果を使って、EFKP型の重複対数の法則のvalidityの方が導かれることを確認する。またその発散速度を解析することにより、アルゴリズム的ランダムネスの理論における計算可能ランダム性およびSchnorrランダム性とEFKP型重複対数の関係を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
国内外への出張を予定していたが、世界情勢や他の業務との兼ね合いにより、出張回数が減少した。また、論文執筆の進捗が遅れたため、論文校正費用の計上を見送った。これらの理由により、次年度の使用が生じている。次年度の使用計画は以下の通りです。(1) 国内外の出張費:出張機会を増やし、研究者間の情報交換を促進する。(2) 図書費:関連分野の最新研究や知見を学ぶための資料を購入する。(3) 論文の英文校正費用:執筆が完了した論文の品質向上を図る。これらの計画により、研究の進展と成果の発表が円滑に行われることを目指す。
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