研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では、多彩な物理・化学現象を解き明かす新しいシミュレーションツールの開発に挑んだ。具体的には従来、量子系の粒子数・スピンなどの離散変数のシミュレーションに用いられていた「量子シミュレーション」の手法を発展させ、連続変数(位置・運動量や振幅・位相など)のシミュレーションにも適用可能な新しい量子シミュレータを開発した。これにより、調和ポテンシャル中での波束の振る舞いをシミュレートすることに成功した。
量子光学
今回開発したシミュレータをさらに発展させることで、従来の離散変数のシミュレータには不向きだった、連続変数に関わるシミュレーションが自然な形で実装できる。これにより、振幅や位相などの連続変数が関わる多彩な物理・化学現象の解明に大きく貢献しうる。さらに、連続変数は離散変数よりも高い自由度を持つため、比較的小規模な量子シミュレータでも高次元のシステムをシミュレート可能であり、光量子技術の実社会応用の1つになりうると期待される。