無機ソフトマターの性質を持つバナジウムカルコゲナイドの格子ダイナミクスを、偏向X線を利用した時間分解EXAFS測定で捉えることを目的としてSPring-8 BL36XUにおける実験を行った。実験の結果、およそ0.6秒周期でスペクトルに変化が現れていることを突き止めた。これは期待する格子ダイナミクスを捉えているようにも思えるが、予想に反してスペクトルの変化が周期的に現れていること、得られたスペクトルに温度依存性が見られないこと、などの特徴が現れており、これは予想には反する結果であった。現在は解析を進めており、今後はこの特徴が本質であることを明らかにし、論文投稿に向けて準備を進めたい。
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