金属ナノ粒子の核磁気共鳴の研究は1990年代まで盛んにおこなわれていたが、その後研究はほとんど行われていなかった。我々はd電子金属ナノ粒子に対しNMRを行うことから、Ptナノ粒子に対しd電子の状態密度に起因した「量子サイズ」効果を見出した。ナノ粒子の物理に対しては久保先生が提唱された量子サイズ効果が広く受け入れられているが、我々の発見はナノ粒子の物理に当時考えられていなかった電子相関の効果が存在することを示唆しているものと考えられる。今後電子相関の効果を取り入れた量子サイズ効果の理論が構築されることが望まれる。
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