研究課題
2022年度は前年度に引き続き,ハードウェアの開発と稼働調整をおこない,京都大の安定同位体比質量分析計(IRMS:IsoPrime社製)に接続しての機器のチューニングと制御システムの開発を目指した。ガスクロマトグラフ(GC)併設の小型汎用微量炭酸塩安定同位体自動分析システム(MICAL-U:ユニバーサル接続型)の設計は完了し主要フレームの構築をすすめた。全ての作業が手作業であり,細部にわたる加工と気密性の検証等が必要であり,構築には時間を要している。現状では,メインフレームの構造ができあがり,小型ガスクロマトグラフの稼働に向けた基礎実験を開始している。その一方で,コロナ渦によって物流停滞や電子部品の供給停滞によって,制御システムに必要なデジタルアウトプットデバイスなどの電子製品が入手困難な状況が今も続いており,制御システムとソフトウェアの開発が停滞している。電子部品は半年以上の納期の遅れを経て,2023年になってその一部が届いたばかりである。この機器の最適化と検証作業に時間がかかっていることが,MICAL-U構築の大きな制約となっている。さらに,連続フロー型質量分析に必須のヘリウムに関しても,コロナ渦における世界的な生産体制の縮小とウクライナ危機に伴う供給制限(ヘリウム危機)に陥り,今後の基礎実験の進捗に大きな影響を与えている。その現状を踏まえてヘリウム制御系の見直しと再設計,保守方法の改良も行い,ヘリウムガスの使用量低減を実現させた。
4: 遅れている
コロナ渦によって物流停滞や電子部品の供給停滞によって,制御システムに必要なデジタルアウトプットデバイスなどの電子製品が入手困難な状況が今も続いており,制御システムとソフトウェアの開発が停滞している。電子部品は半年以上の納期の遅れを経て,2023年になって届いたばかりである。この機器の最適化と検証作業に時間がかかっていることが,MICAL-U構築の大きな制約となっている。さらに,連続フロー型質量分析に必須のヘリウムに関しても,コロナ渦における世界的な生産体制の縮小とウクライナ危機に伴う供給制限(ヘリウム危機)に陥り,今後の基礎実験の進捗に大きな影響を与えている。その現状を踏まえてヘリウム制御系の見直しと再設計,保守方法の改良も行い,ヘリウムガスの使用量低減に成功した。
引き続きハードウェアの開発と稼働調整をおこない,継続する。コロナ渦の影響で,実質的に1年以上の計画の遅れがあり,この遅れを取り戻すべく作業工程と研究計画の見直しもすすめる。なお,小型ガスクロマトグラフの性能検証には基礎実験を継続する。開発完了後は外部機関に対して数ヶ月単位の移設検証をおこない,検証作業と並行して問題点の洗い出しと,実際の他機関での運用プランの設計を目指す。得られた知見と成果は,テレアナリシスの一形態としても報告する。一方で,構築部材の調達に時間がかかっている問題とヘリウム不足の現状が長引くことが予想されており,今後の研究計画のさらなる遅延は避けられないものと考えている。MICALを用いた応用研究については既存のMICALを用いて実証実験も行うことが出来るので,MICAL-U開発と並行して重点課題として継続する。
コロナ渦と国際情勢の悪化によって,(1)物流の停滞,(2)電子部品の生産体制への影響,が次年度使用額が生じた大きな理由である。例えば,機器を制御するためのデジタルアウトプットデバイスなどの電子製品は予約待ちの状態が続いており,一部の製品は未だ納品の目処は立っていない。また,使用機器の故障修理も予定していたが,納期の遅延によって計画を変更した。それぞれ2023年度の遂行を目指しいる。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件)
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