研究課題/領域番号 |
21K18654
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
保井 みなみ 神戸大学, 理学研究科, 講師 (30583843)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | カイパーベルト天体 / 接触連星 / 氷微惑星 / 衝突実験 / 破片速度分布 / デジタル画像相関法(DIC法) / 衝突破壊強度 / 密度分布 |
研究成果の概要 |
接触連星であることが多い彗星核やカイパーベルト天体の形成環境を調べるため,母天体である氷微惑星を模擬した雪標的,氷標的,雪マントル・氷コアの層構造標的を用いた高速度衝突破壊実験を行い,DIC法(デジタル画像相関法)を用いて標的内部の破片速度分布を調べると伴にその衝突破壊強度を明らかにした.DIC解析の結果,雪標的や層構造標的の雪マントルは破片が衝突点から放射状に放出したが,層構造標的の氷コアはそれよりも速く,弾道の下流方向に水平移動することがわかった.衝突破壊強度は雪,層構造,氷標的の順に小さくなり,層構造標的は雪マントルの影響で氷コアの破壊が防御されていることがわかった.
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自由記述の分野 |
実験惑星科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
氷微惑星が衝突破壊と再集積を繰り返して太陽系外縁天体へと成長したと考えられているが,その再集積条件の決定には全衝突破片の速度分布を調べる必要がある.しかし,従来の高速ビデオカメラを用いた方法では標的表面からの放出破片しか観察できなかった.本研究では,標的内部からの放出破片の速度を計測できる手法を確立した.この手法が今後,理学分野の衝突実験において破片速度分布の解析法の1つとして汎用化されることが期待される.さらに,この手法を用いた実験結果を衝突数値計算に組み込むことで,太陽系外縁領域での氷接触連星の形成条件を推定できるだけでなく,太陽系全体の天体衝突史に新たな知見が得られることが期待される.
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