地球の核マントル境界で安定であると期待されるブリッジマナイトの直流電場における酸化還元反応の実験、ゼーベック係数の測定に至らなかったため、鉄同位体分別に関する見識を得ることはできなかったが、高温高圧下の熱電測定に向けた技術は直実に進展した。このことは多くの電極を小さい高圧セルに組み込む非常に難しい実験の超高圧下での実現に期待を持たせる。一方で地球内部での温度差に起因したゼーベック効果の研究は皆無であるが、その効果に一石を投じることができた。高圧下における熱電特性の研究の進展は、熱変換デバイスの評価、電極反応の研究の促進にも応用することで社会実装可能なデバイス開発にもつながることが期待される。
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