水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄の6つの元素は、細胞の主要成分である水、脂質、核酸、タンパク質に利用されるため、基本的にはあらゆる生命に共通の元素と考えられる。一方、生命はこれらの元素に加えて金属イオンも利用する。金属イオンは電子移動や反応の触媒としての役割を持つが、初めに挙げた6元素とは異なり、生物種ごとに利用される金属イオン種に多様性がある。本研究では、生命がどの金属イオンを利用するのかという選択メカニズムを解明するため、大腸菌をモデルとして利用能がないと思われる金属イオン存在下で実験室進化を実施した。結果、添加金属イオンの性質を反映した変異の蓄積傾向を見出すことができた。
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